大阪アジアン映画祭2009 アジアン映画祭メインプログラム  3/13(金)〜16(月) おおさかシネマフェスティバル  3/21(土)・22(日)
大阪アジアン映画祭2006 OSAKA ASIAN BEAT
《シネ・ドライブ2009》レポート
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シネ・ドライヴ2009 7日目2009年3月13日(金)

当時マグロを売る仕事をしていた山田雅史監督の初デジタル・ビデオ作品『The Record of the Cry from Deep Sea』。現在はホラー・ビデオ『ほんとうにあった恐い話』などで映像製作をしておられ、商業作品と自分の目指す作品の違いについて語られました。山田監督は明日おこなわれるアジアン・ミーティングで上映される『ムーン』の一編「ユリの枯れる頃の声」で日本編を担当しておられます。『ムーン』はジェームス・ウォンの歌詞による7つのアジアの物語という副題を持ち、香港で流行したポピュラーソングの一節をそれぞれ7監督が描くというオムニバスです。

そしてよなご映像フェスティバルよりスタッフの万谷氏が来場しました。よなご映像フェスティバルというのは2008年に鳥取県の米子市で米子出身の映画作家から作品を募り、行なわれた映像フェスティバルです。今年は第二回目が行なわれるようで、ただ今作品を募集されているということです。参加資格は米子に興味のある人なら応募できるとおっしゃっておられました。


そして今回プレミア作品の一本『ぼくらはもう帰れない』の藤原敏史監督の登場です。作品のはじめに「この映画は即興で作られました」というようなテロップが入っているので、当然、観客からはどう即興なのか? という質問は飛びます。脚本が無いのだけれど、お話を聞いていると、役者さんたちと2ヶ月にわたって話し合い、構想を練ったということです。舞台裏で「映画は一人では作れない」と言っていたのが印象的で、正にそれを証明する映画です。

『The Record of the Cry from Deep Sea』 『ぼくらはもう帰れない』
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シネ・ドライヴ2009 6日目2009年3月12日(木)
浅川周監督2度目の来場です。本日は『とけて、まざる。』について語っていただきました。この作品はどこかから依頼されたものではなく、撮影後に呑むお酒はおいしい、だから撮影をしておいしいお酒を呑もうというところから出発した企画だそうです。滋賀県の風景が好きで、今までの作品も多くが滋賀県で撮影されていて、その理由を聞くと、海でも山でもない平原の見通しが好みだということです。雪が印象的なこの作品、今まで冬の作品が多く、次は夏も撮影してみたいとおっしゃっていました。
『とけて、まざる。』
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シネ・ドライヴ2009 5日目2009年3月11日(水)
『花の鼓』 『背骨のパトスi』
本日は『花の鼓』と『背骨のパトス』の松岡奈緒美監督が舞台挨拶をされました。長女、長男を連れて来場した松岡監督が「先入観なにし見ていただきたいです」と語ったその映画は、子供達の出産をつづったドキュメンタリーです。18,27,28日にもそれぞれの会場で舞台挨拶をしていただきます。また22日のフラミンゴ ジ アルーシャの上映にも来場されます。その後、『へばの』の上映後木村監督ともトークされました。
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シネ・ドライヴ2009 4日目2009年3月10日(火)
『赤を視る』の浅川周監督が、上映後に作品のなりたちとキャストについて話しました。『赤を視る』は過去のシネトライブでコダック協賛の『監督賞』を受賞し、そのバックアップから生まれた作品です。白黒映画にしたのは、主人公の女性の心情を描き出すにはカラーより白黒の方が適していると思ったこと、また俳優に対しては具体的に細かく役者に伝えてしまうと役者がそれを気にしてしまうので、何気なく思う方向へ向えるように補助をすること、などを話されました。
浅川監督はシネ・ドライヴにあと2作品出品しています。4-E『ウガチナガス』と4-G『とけて、まざる。』です。これらの作品時にも来場してトークをしていただきます。

そしてシリーズの第1話・第2話だけでしたが『テンロクの恋人』の渡辺シン氏と、『月神の森』『風の名前』のYoshinoさんが挨拶されました。渡辺氏は天六のカフェでこの作品をスタートさせており、後3話・4話がこれから製作されるとのこと、Yoshinoさんはすでに次回作を完成されたようでその上映の準備もされているようです。
『赤を視る』 『テンロクの恋人』 『月神の森』 『風の名前』

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シネ・ドライヴ2009 3日目2009年3月9日(月)

『塗り立てのペンキに、涙』を監督された大野将志さんと脚本を担当した仲井さんがいらっしゃいました。大野さんはケーブルテレビ番組や企業VPなど映像全般の製作業務をされており、ここ8年で短編映画の製作を続け、3年前にシナリオ学校で出会った仲井と長編に挑戦した第2作目が本作とのことです。


『手話刑事』の谷進一さんも挨拶されましたが、谷さんは俳優でもあり、横浜聡子の『ジャーマン+雨』で医者役でも出演されている方です。どうも医者役が多いのですが介護士もされており、京都では聾唖者の方々と「劇団あしたの会」を結成し活躍されています。その「劇団あしたの会」で製作したのがこの『手話刑事』。サイレント映画ではありませんが手話をメインに使った作品ですね。身振りと言語が一体化する映画の可能性についても話すことになりました。


そして伝説の学生映画となった『鬼畜大宴会』では当時美術で参加し、後に宣伝を経て、現在では青山真治組だけでなく大作の日本映画でも製作チームで活躍する旧友で若き女傑・安井聡子の参上!『鬼畜大宴会』製作当時のことだけではなく現在進行形の日本映画での制作部のエピソードも多数話題にでて若い製作者にとってはかなり刺激的な内容になりました。

『塗り立てのペンキに、涙』 『手話刑事』 『鬼畜大宴会』
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シネ・ドライヴ2009 2日目2009年3月8日(日)

まずは『幸福のスイッチ』で商業映画デビューした安田真奈さん。現在も大阪に在住で、テレビを含め2本の商業映画の脚本が進行中とのこと。主婦、母でもあり、しばらくは監督は難しいようですが、ほぼ10年前に自主制作からOL監督として関西で活躍していた頃の『ひとしずくの魔法』でトークしていただきました。これはインディペンデントではなくテレビ局出資のものですが、その前の作品『オーライ』に続く作品として、和歌山のポルトヨーロッパで3日で撮影。初期のデジタル作品でもあります。元家電メーカーの営業マンでもあったので、「売り込み」の上手さが作り手には重要な“才能”であることをよく理解されています。自分の作りたい地味なテーマを商業映画に変化させる。まさに「ひとしずくの魔法」とは安田氏の方法論でもあるのです。


続いて映画製作を始めたばかりの若いお二人、吉岡研二氏と守屋公記氏。二人は初めてですが、いきなりのトークをしていただきました。警戒しながらも微妙なかけひきは次回にもちこされます。


昨年の大阪芸大の卒業制作『古屋の次第』の加藤秀仁氏。彼は当方の映写スタッフでもあるので、ちょっとばかりキビしく迎えましたが、観客席からも質問が出て多少うろたえるという場面もありました。その質問は下記の松村氏です。自分の世界の表現から他者を受け入れる姿勢が見えないだろうか。という意味では私が知っている分、少し内容には踏み込んだものですが、いずれにせよまだ第1ラウンドです。多くの方から多数の意見の矢が、加藤氏だけではなくもっと飛んだほうが面白いのですがね。


東京から遠路、関西での『TOCHKA』のプレミア上映に松村浩行氏がいらっしゃいました。松村氏は「映画美学校」の2期生で1999年には16mm作品『よろこび』で注目され(かつてシネトライブで上映)、その後『死なば諸共』の西山洋市監督の助監督を経て『YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN』を完成させました。『TOCHKA』は美学校の卒業生仲間だけではなく、『犬猫』の藤田陽子さんや菅田俊さんも出演し、今年中には公開したいという作品です。まさにインディペンデントでしか出来ない作品でもあります。昼間は他の作品も積極的に見て、夜は『へばの』の木村文洋監督や『紅葉』の山崎樹一郎氏らとその後3日間のみ歩くと言う濃厚な日々を過ごしてます。こういった方が増えるのがシネ・ドライヴの醍醐味になればいいのです。

『ひとしずくの魔法』 『古屋の次第』 『TOCHIKA』
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シネ・ドライヴ2009 1日目『ジャーマン+雨』で幕開けしたシネ・ドライヴ!2009年3月7日(土)

短編『miminari』の板倉善之氏、『幸恵』の安川有果さんが上映後にトークしました。
板倉氏は今後の自分の作品の展開とともに「見せる」という意識について『miminari』制作時に考えたこと、そして卒業制作として『幸恵』を監督した安川さんは自ら選んだテーマとそのアプローチについて自戒をこめた話をされました。
インディペンデント=自主制作映画がまずは越えなければならない最初の壁が少し明らかになったのです。観客が「想像」することで作り手が表現しきれなかった「何か」を補完する。という内省的な映画作りへ疑問を投げかける。これが今、日本映画に蔓延している「虚弱さ」でもあるのです。


『パビリオン山椒魚』の冨永作品、『天然コケッコー』の山下監督の初期作品。『おそいひと』の柴田監督初期作品など現在注目される30代前半の若手監督の作品とかつて関西ではカルト化して大ヒットした『京極真珠』などは見逃した方が来られたようでした。
しかしもっと新作に注目していただきたい。トークでももっと参加者の議論白昼を期待しています。
『へばの』も本日よりスタートしました!木村監督は関西の若手監督を中心に連日トークします。


明日は朝から安田真奈さんが来場されます。そしてプレミア上映の注目の松村浩行監督作品『TOCHKA』でも監督が駆けつけていただけます。見てトークに参加して監督とも直接話していただければ、シネ・ドライヴの醍醐味を感じていただけるでしょう。
明日からも飛ばします!
『ジャーマン+雨』 『miminari』 『幸恵』 『へばの』
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《シネ・ドライブ2009》で上映予定の入江悠監督作『SR/サイタマノラッパー』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアターコンペティション部門でグランプリを受賞しました。2009年3月1日(日)

『SR/サイタマノラッパー』
2008/DV(16:9)/80min
監督:入江悠 出演:駒木根隆介、みひろ
埼玉の田舎でラッパーを夢見る若者たちを1シーン1カットで描く「ゆうばり国際ファンタ」で注目され『Japonica Virus』が劇場公開された入江監督の劇場公開最新作。

●《シネ・ドライヴ2009/日本インディペンデント映画の10年》公式サイトはこちら
●《ゆうばり国際ファンタスティック映画祭》公式サイトはこちら

(授賞式の会場風景)

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《シネ・ドライブ2009》にて上映予定の『へばの』をプラネット・スタジオ・プラス・ワンでマスコミ試写第2回開催しました!2009年2月25日(水)

『へばの』は第38回ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門に出品した、賛否両論を巻き起こしつつあるインディペンデント映画です。《大阪アジアン映画祭2009》のトップを切って3月7日(土)より《シネ・ドライヴ2009》が始まります。その初日のレイトショーから『へばの』を上映。『へばの』上映期間中には多彩なゲストも迎える予定です。2月25日(水)のマスコミ試写でも木村監督を迎え、質疑応答も楽しく行いました。

●《シネ・ドライヴ2009/日本インディペンデント映画の10年》公式サイトはこちら
●『へばの』公式サイトはこちら
●『へばの』公式ブログはこちら
(写真上)会場風景
(写真下)木村文洋監督
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《シネ・ドライブ2009》にて上映予定の『'09 桃まつり presents kiss! ─ 特別編』をプラネット・スタジオ・プラス・ワンにてマスコミ試写開催しました!2009年2月23日(月)

女性監督集団“桃まつり”が集まり、毎年春に映画祭を開催しています。大阪では5月末に「'09 桃まつりpresents kiss!」をプラネット・スタジオ・プラス・ワンで公開。《アジア映画最新作初上映!》で3月15日(日)16:20より上映される『彼方からの手紙』の監督である瀬田なつき監督も参加しています。協賛企画《シネ・ドライヴ2009》ではその中から特別編として、3月29日(日)に『たまゆら』『収穫』『地蔵ノ辻』の3本を上映します。今回はこの3本のプレス試写を行い、ゲストを迎えた質疑応答も行いました。

●《シネ・ドライヴ2009/日本インディペンデント映画の10年》公式サイトはこちら
●《桃まつり》公式サイトはこちら
●山崎都世子監督『さくら』公式サイトはこちら
(写真左より)
山崎都世子監督(『たまゆら』監督)、粟津慶子監督(『収穫』監督)、竹本直美監督(『地蔵ノ辻』監督)
阿久根裕子さん(『たまゆら』主演女優)、安藤匡史さん(『たまゆら』主演俳優)
富岡邦彦さん(プラネット・スタジオ・プラス・ワン プログラム・ディレクター)
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