まずは『幸福のスイッチ』で商業映画デビューした安田真奈さん。現在も大阪に在住で、テレビを含め2本の商業映画の脚本が進行中とのこと。主婦、母でもあり、しばらくは監督は難しいようですが、ほぼ10年前に自主制作からOL監督として関西で活躍していた頃の『ひとしずくの魔法』でトークしていただきました。これはインディペンデントではなくテレビ局出資のものですが、その前の作品『オーライ』に続く作品として、和歌山のポルトヨーロッパで3日で撮影。初期のデジタル作品でもあります。元家電メーカーの営業マンでもあったので、「売り込み」の上手さが作り手には重要な“才能”であることをよく理解されています。自分の作りたい地味なテーマを商業映画に変化させる。まさに「ひとしずくの魔法」とは安田氏の方法論でもあるのです。
続いて映画製作を始めたばかりの若いお二人、吉岡研二氏と守屋公記氏。二人は初めてですが、いきなりのトークをしていただきました。警戒しながらも微妙なかけひきは次回にもちこされます。
昨年の大阪芸大の卒業制作『古屋の次第』の加藤秀仁氏。彼は当方の映写スタッフでもあるので、ちょっとばかりキビしく迎えましたが、観客席からも質問が出て多少うろたえるという場面もありました。その質問は下記の松村氏です。自分の世界の表現から他者を受け入れる姿勢が見えないだろうか。という意味では私が知っている分、少し内容には踏み込んだものですが、いずれにせよまだ第1ラウンドです。多くの方から多数の意見の矢が、加藤氏だけではなくもっと飛んだほうが面白いのですがね。
東京から遠路、関西での『TOCHKA』のプレミア上映に松村浩行氏がいらっしゃいました。松村氏は「映画美学校」の2期生で1999年には16mm作品『よろこび』で注目され(かつてシネトライブで上映)、その後『死なば諸共』の西山洋市監督の助監督を経て『YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN』を完成させました。『TOCHKA』は美学校の卒業生仲間だけではなく、『犬猫』の藤田陽子さんや菅田俊さんも出演し、今年中には公開したいという作品です。まさにインディペンデントでしか出来ない作品でもあります。昼間は他の作品も積極的に見て、夜は『へばの』の木村文洋監督や『紅葉』の山崎樹一郎氏らとその後3日間のみ歩くと言う濃厚な日々を過ごしてます。こういった方が増えるのがシネ・ドライヴの醍醐味になればいいのです。 |