今年の大阪アジアン映画祭は、日本語堪能な外国人監督の作品が2作入選したことで、記憶される年となるだろう。1本はアメリカ人監督デイヴ・ボイルの『ホワイト・オン・ライス』。そしてもう1本が、韓国のキム・テシク監督による『東京タクシー』だ。『ホワイト・オン・ライス』同様、こちらも日本人の物語。THE BACK HORNの山田将司演ずる主人公は、大の飛行機恐怖症のミュージシャン。けれど彼は韓国の音楽フェスに出演することとなり、一路タクシーでソウルへと向かう!。そんな、あり得ないような設定の物語を、画面の説得力で平然と信じられるものにしてしまうキム・テシクの演出力に感服。