韓国の代表的映画雑誌「シネ21」によって、「昨年もっとも過小評価された映画」に選ばれた。のどかな村に巨大人喰いイノシシが現れた!・・・という言わば特撮怪物スペクタクルなのだが、敢えて『グエムル 漢江の怪物』のように特撮技術の贅を尽くす方向は狙わず、それはそれはチープ感たっぷりのイノシシが出てきたことが主因だろう。けれど監督シン・ジョンウォンの映画的演出術はチープさとは無縁。単に人が、動物が、転ぶというだけのことが、これほど画面を活劇化し、観客をハラハラさせるとは!TVドラマ「魔王」で人気のオム・テウン、『よく知りもしないくせに』『ある訪問(オムニバス)』など最近のホン・サンス映画の常連女優チョン・ユミなど、役者陣の好演も特筆もの。