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  • 日本初上映

特別注視部門

地のない足元

No Ground Beneath the Feet [Payer Tolay Mati Nai]

監督:モハンマド・ラッビ・ムリッダ

Director: Mohammad Rabby Mridha|2021年|バングラデシュ|90分

上映日 時 間 会 場
3/13 日 18:50 シネ・リーブル梅田4
3/18 金 10:10 ABCホール
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出  演
モストファ・モノワル
プリヤン・アーチ
ディパニタ・マーティン
作品解説

首都ダッカで救急車運転手として働くサイフル。ジョムナ川流域の中洲にある故郷では家族が壊滅的な洪水被害に遭っているが、仕事で帰ることもできない。一方、ダッカでの過酷な生活の中で、彼は一時の誘惑に負け、問題ある結婚生活に陥る。2人の妻の間で狼狽え、気鬱な仕事と不運な出来事に見舞われるサイフルは、文字通り、そして比喩的にも、足元を固めることができない。追い詰められたサイフルは危険な仕事に手を出すが、良心の呵責と貧困との間で消耗戦を強いられる。

本作『地のない足元』は、バングラデシュの新鋭監督ムハンマド・ラッビ・ムリッダのデビュー作である。村の家族を養うため首都ダッカに単身出稼ぎに来る男たちを狙う様々な罠、またその罠を仕掛ける側も、混沌とした都市でギリギリの生活を送っている。とてつもない格差に苛まれて出口のない困窮に喘ぐバングラデシュの現実を鋭く描き出す。目を覆いたくなるようなリアリティとサイフルの心的葛藤に、観る者はストーリーから目が離せなくなる。世界がバングラデシュ映画に注目した2021年、本作もその代表作の1つである。第26回(2021年)釜山国際映画祭入選作品。[南出和余]

神戸女学院大学文学部英文学科協賛上映。