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大阪アジアン映画祭2011 アジアン 昨日、今日、明日
プレイベント01 特集イベント グル・ダットとキム・テシク

来年3月、大阪アジアン映画祭2011を開催します。「大阪発。日本全国、そしてアジアへ」をテーマに、日本初上映となるアジア映画最新作を多数上映するアジア映画の祭典。今回からコンペ部門を新設し、さらにスケールアップ。新しい大阪アジアン映画祭2011にご期待ください。 この映画祭に先立ち、プレイベントを開催します。
過去2回の映画祭で話題になり、再上映のご要望が多かったアジア映画や、インドの巨匠グル・ダット監督の2作品、さらに大阪アジアン映画祭2010のクロージング作品『東京タクシー』のキム・テシク監督の特集企画を行います。映画祭のワクワク感を増幅すること間違いなし。ご来場をお待ちしております。

 

※本イベントは終了しました。フォトレポートはこちら >>>

開催概要
日 程
2010年12月11日(土)・12日(日)

トークショー
12月11日(土)13:40
ゲスト=ミルクマン斉藤さん(映画評論家)

12月12日(日)14:50
ゲスト=キム・テシク監督(『東京タクシー』『妻の愛人に会う』監督)
聞き手= 暉峻創三さん(映画評論家、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター) 
会 場
大阪歴史博物館4階講堂
地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」9号出口前、NHK大阪放送局隣
大阪市中央区大手前4-1-32 TEL.06-6946-5728
大阪歴史博物館公式サイトはこちら http://www.mus-his.city.osaka.jp/ >>>
料 金
前売1000円 ◎チケットは1日券です。入れ替えはありません
※前売券は、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(Pコード:462-380)、他にて好評発売中!! → 販売は終了しました。
当日券 一般1200円、学生・シニア(60歳以上)1000円、高校生以下600円
お問合せ先
大阪アジアン映画祭実行委員会事務局
〒530-0014 大阪市北区鶴野町4番B-801(NPOコミュニティシネマ大阪内)
TEL:06-6373-3377 FAX:06-6373-1213
※電話でのお問い合わせ…平日10:30〜18:00
e.mail: mail-asian@oaff.jp
12月11日(土) グル・ダット監督特集
1950年代、インド映画の黄金時代を疾走し、監督のほか出演・製作もこなしてスターの座に君臨しながら、1964年、39歳の若さで自ら命を絶ったインド映画伝説の名匠グル・ダット。衝撃のデビュー作『賭け』(1951年)、運命の女神ともいうべき名女優ワヒーダー・ラフマーンをヒロインに迎え、ユーモアとペシミズムが交差する最高傑作『渇き』(1957年)の2作品と、ミルクマン斉藤さんによるトークショーを開催します。

グル・ダット監督プロフィール Guru Dutt

1925年7月9日バンガロール生まれ。カルカッタで教育を受け、ウダイ・シャンカルの舞踊学校で2年間学ぶ。その後プネーのプラバート映画社に行き、1946年振付け師として映画界入り。俳優及び助監督を経て1951年『賭け』で監督デビュー。以後俳優兼監督兼プロデューサーとして数々の名作を発表。1953年当時人気のあったプレイバック・シンガー、ギーター・ラーイと結婚。1964年自ら命を絶つ。

賭け

『賭け』BAAZI

1951年/インド/モノクロ/137分/35mm

監督:グル・ダット

◎失業中の運転手マダンは、実は凄腕のギャンブラー。妹の治療費を稼ぐため悪の道に踏み込むが、そこには思いがけない罠が待ち受けていた。暗黒街に甘い歌声が響く、ダットの記念すべき処女作。ノワール映画の体裁をとりつつ、階層社会の矛盾を暴いた作品。


渇き

『渇き』PYAASA

1957年/インド/モノクロ/145分

監督:グル・ダット/出演:グル・ダット、ワヒーダー・ラフマーン、マーラー・シンハー、ラフマーン、ジョニー・ウォーカー

◎売れない詩人ヴィジャイの詩を気に入ってくれるのは娼婦のグラーブだけ。自暴自棄になったヴィジャイは、ふとしたことから鉄道事故に巻き込まれ、発売された遺稿詩集はベストセラーになるが…。グル・ダットの最高傑作。「グル・ダットは天才であり、『渇き』は傑作である。この歌謡映画を見て背筋に震えが走らなければ、あなたは映画とは無縁の存在だ。涙ひとつ流さず全篇を見終えることのできる人は、抒情の何たるかを知らない」(蓮實重彦)


トークショー:ミルクマン斉藤さん(映画評論家)略歴

1963年、京都市生まれ。映画評論家。グラフィック・デザイン集団 groovisionsの、唯一デザインしないメンバー。日本のクラブ・シーンにおけるVJのさきがけでもあり、「ピチカート・ファイヴ」のステージ・ヴィジュアルを8年間手掛ける。映画は、執筆活動やトークショー、中平康特集や鈴木清順特集なども手掛けている。

12月12日(日) キム・テシク監督特集
今年3月、大阪アジアン映画祭2010のクロージング作品は『東京タクシー』だった。国境をタクシーで軽々と越える主人公たち。しかし、日本と韓国という隣人でありながら話す言葉は片言の英語…!? ユーモアたっぷりに描きながら友好と苦難の歴史を併せ持つ日韓関係を鮮やかに切り取るキム・テシク監督の手腕の確かさ! そんなキム監督の次回作は、韓国からタクシーで大阪にやってくる奇想天外ロード・ムービー。この『ウエルカム・タクシー』の企画を大いに応援したい。キム監督の前作『妻の愛人に会う』と彼が助監督を務めた本格的な日韓合作映画『家族シネマ』、それに『東京タクシー』を上映しながら、キム監督に新作の思いなどを語っていただきます(聞き手:暉峻創三〔大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター〕)。

キム・テシク監督プロフィール Kim Tai-sik

1959年ソウル生まれ。1980年ソウル芸術大学映画学科在学中に日本へ留学。日本映画学校で学んだ後、1986年よりTVやCFのディレクターとして日本、オーストラリア、香港でキャリアを積む。パク・チョルス監督『家族シネマ』の助監督を務めた事をきっかけに映画界入り。初の長編監督作『妻の愛人に会う』が内外の映画祭で高い評価を受ける。続く『東京タクシー』とタクシーを舞台にした作品を連発する監督の次回作は、プサンから大阪にタクシーでやってくる『ウエルカム・タクシー』! 来年の撮影を予定している。

東京タクシー ディレクターズ・カット版

『東京タクシー ディレクターズ・カット版』Tokyo Taxi

2009年/韓国・日本/76分/提供:MUSIC ON! TV/SPEEDSTAR RECORDS

監督:キム・テシク 出演:山田将司(THE BACK HORN)、山崎一、ユ・ハナ、キム・ジョンハ

◎売れないロックバンドをやっている青年が、韓国で開催されるロックフェスの出演依頼を受ける。しかし、彼は飛行機恐怖症。困り果てた彼は、なんとタクシーで韓国のソウルに向かうことに。中年のタクシードライバーを巻き込んで、東京、釜山、ソウルと、国境を越えてジャパン・タクシーが疾走する! 日本に留学体験のあるキム・テシク監督による、驚きと笑い、切なさに溢れた新感覚ロードムービー!


妻の愛人に会う

『妻の愛人に会う』Driving with My Wife's Lover

2007年/韓国/カラー/92分/協力:韓国映画振興委員会、イメージフォーラム

監督:キム・テシク 出演:パク・クァンジョン、チョン・ボソク、チョ・ウンジ

◎妻の不倫を知った主人公が、不倫相手が運転するタクシーに乗り込み、奇妙な珍道中を繰り広げるシュール&シニカルな傑作ブラック・コメ ディ。先の読めない展開と、コミカルなシーンで楽しませるとともに、人生に対する深い洞察がちりばめられたキム監督のデビュー作。


家族シネマ

『家族シネマ』Kazoku Cinema

1998年/韓国・日本/113分/配給:日活

監督:パク・チョルス/原作:柳美里/助監督:キム・テシク/出演:柳愛里、梁石日、伊佐山ひろ子、金守珍

◎芥川賞を受賞した柳美里の同名小説を映画化。「家族」がテーマの映画に出演することになった一家。20年ぶりに一堂に会した親子は実は様々な問題を抱えていた……。現代社会に生きる家族の姿を時に冷徹に、時に暖かく見つめる異色作。日本文化解禁にあたり、韓国人スタッフによる“日本語の映画”第1作として製作され、大きな話題となった。日本語が話せるキム・テシク監督が大車輪の活躍。


トークショー聞き手:暉峻創三さん(映画評論家、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)略歴

(てるおか・そうぞう)1961年、東京生まれ。80年代後半からアジア映画に特に焦点を当て、批評・紹介活動を展開。キネマ旬報、ぴあなどで執筆する。2002年、東京国際映画祭に「アジアの風」部門が設立されると共にプログラム・ディレクターに就任。同部門を作品数・観客数ともに東京国際映画祭最大の部門に育て上げた。大阪アジアン映画祭2009より、同映画祭プログラミング・ディレクターに就任。「大阪発。日本全国、そしてアジアへ」をキャッチフレーズに、大阪をアジア映画の拠点とすべく邁進中。著書に「香港電影世界」(97)他。