- 日本初上映
コンペティション部門
キラー・スパイダー
Killer Spider [ANKABOUT]
監督:エブラヒム・イラジュザード
Director: Ebrahim IRAJZAD|2020年|イラン|97分
上映日 | 時 間 | 会 場 |
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3/8 月 | 18:20 | シネ・リーブル梅田4 |
3/11 木 | 12:00 | シネ・リーブル梅田4 |
- 出 演
- モーセン・タナバンデ
サレー・バヤト
シリン・ヤズダンバクシュ
マフール・アルワンド - 作品解説
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20年前、イラン第2の都市にしてシーア派の聖廟都市であるマシュハドは、連続殺人事件に恐れおののいた。厚い信仰心をもつ工事現場作業員サイードが、汚れた社会を清浄化するためにと売春婦を次々と自分の家に誘い込み殺害したのだ。サイードは世の中の腐敗分子を一掃するにはこれが一番の方法だと信じ込んだ。被害者の女性たちは家族を養うために仕方なく売春をしていただけだ。彼女らは悪人ではないのに、社会が彼女らを暗い街角に立たせた。しかし、それをサイードは知る由もなかった。
イラン社会は連続殺人罪で逮捕された犯人の態度にショックを受けた。11人も殺害するという猟奇的殺人事件を起こしたにも関わらず、一切反省しないどころか、自分は表彰されるべきだと発言したのだ。この事件は「スパイダー殺人事件」と呼ばれ、「修正する代わりに破壊する」という犯行の動機は、重要な課題として心理学者と社会学者を悩ませることになった。 当時、エブラヒム・イラジュザード監督は、自分が暮らす街に起きたこの悲劇を映画化することを決意した。若手監督にとって、犯罪映画があまり作られていないイランで実話を基にした本作を作るのは挑戦だったはずだ。主演の個性派俳優モーセン・タナバンデは主人公の性格を細部まで見事に表現し、高い評価を受けた。[ショーレ・ゴルパリアン]