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3月7日(土)

 

『3泊4日、5時の鐘』フレッシュなゲストに会場も温かな空気に。

コンペティション部門『3泊4日、5時の鐘』のゲストには出演の堀夏子さん(写真左)とプロデューサーであり出演もされた福島珠理さん(右)が登壇されました。

上映後、劇場スクリーンで鑑賞したのは初めてだ、とおっしゃるお二人の感想は「皆さん笑うところでちゃんと笑って頂けて嬉しかったです。」とのこと。会場から「既にもう一回観たい気持ちでいっぱいです。撮影している周りでもいろんなことが起こっているような気がしましたが」の質問に、「いえ、台本や脚本通りですよ~。」とお二人。

舞台は、小津安二郎監督の定宿としても映画ファンの中では聖地とも呼ばれている茅ヶ崎館。茅ヶ崎館の森オーナーは三澤監督と親しく、監督の熱い情熱に全面的に協力してくださったそうです。

会場には、監督のご両親が駆けつけてくださっており、お話を伺うと、作品のパーティーシーンに登場されていたとか。お母様は、「監督が茅ヶ崎の隣、寒川で育ちその生活の影響でこのような映画がつくれたのかなと思うと涙が出ます。」とお話しくださいました。

最後に、日頃舞台で活躍されている堀さんからは、「次の上映も是非、もう一回観てください!私は関西にも舞台で来ますので、名前をみつけてまた舞台でお会いしましょう。」

また、杉野希妃さん(出演・プロデュース)のファンで、今回の作品に参加するきっかけにもなったという福島珠理さんは、「12日の上映、そして夏には公開に向けて、皆さん発信をよろしくお願いします。私はこの春、大学を卒業し、プロデューサーとしても、演技の方も勉強してゆきます!」としめられました。

9月に新宿のK’sシネマ、大阪のシネ・ヌーヴォ、神戸の元町映画館でも公開決定

  • 出演:堀夏子さん
  • プロデューサー・出演:福島珠理さん

 

 

 

監督のこだわりがつまった『雨時々晴れ』ワールドプレミア

時折強い雨も降る中、インディ・フォーラム部門『雨時々晴れ』の世界初上映が行われました。上映前には「今日の雨も、この映画のために降っているのかな」と挨拶。

上映後にはイ・ユンソク監督(写真左)、そして急遽駆けつけてくださった出演の正木佐和さん(右)とでQ&Aに参加されました。会場はイ・ユンソク監督の流暢な日本語での穏やかな語りもあり、終止和やかなムードに。

俯瞰ショットが多い本作、そして、哀愁のある映画館や靴屋、銭湯など監督のこだわりが垣間見える作品。監督によると、銭湯の番頭さんは照明部にいたスタッフの母親を急遽キャスティングされたとか。そのほかにもキャストは突然決まった人もいるそう。観客から「登場する主要人物が青い上着を着ているのはなぜ?」という質問に「それは私の趣味!」ときっぱり。衣装に統一感を持たせる事で登場人物の意味付けをしたかった、とも。

この作品、日にちが経るごとに日付が表示されます。日が変わる瞬間、お客様にはその時の移り変わりを体験して欲しいからだそう。これら監督の思いを聞くと、もう一度見てみたくなります!最後にお二人で「ワールドプレミアをお客様と体験できて良かった」とのべられました。

「メロドラマが好きなんですよね」とおっしゃっていたイ・ユンソク監督。すでに新作も控えているそうで、今後のさらなる飛躍から目が離せません。

  • イ・ユンソク監督
  • 出演:正木佐和さん

 

 

 

インドネシア、そして監督の想いが詰まった1作『武士道スピリット』

今日のシネ・ヌーヴォの最終上映は、特集企画《ニューアクション!サウスイースト》『武士道スピリット』。昼間の小雨から雨脚が強くなった中、上映前にはたくさんのお客さまが並んで開場を待ちました。

『武士道スピリット』は、スマトラ沖地震の津波で父と空手の全国チャンピオンだった兄を失った中学生のマディが、生活苦で何度も夢を諦めそうになりながらも、空手を捨てた老師範、高名な師範との出会いで武士道精神を会得して行きバリ・オープン大会に挑んでいきます。

エグゼクティブ・プロデューサーのバーティアル・ラフマンさんから、「この作品は空手がテーマ。インドネシアでは日本の空手が盛んです」と現状が紹介されました。

アソシエイト・プロデューサーのヨーク・ザキアさんは「大阪は美しい街ですが、残念ながら寒いですね(笑)」と気さくに語り会場を笑わせます。
「この作品はアクションであり、ロマンティックな部分もありますのでお楽しみください」

空手家でジャパン空手アソシエイトのメンバーでもあるというリュウケン・ライッサ監督。仁・義・礼・忠義・名誉を重んじる武士道スピリットは、インドネシアで大切にされている精神と似ていると語ります。「アチェで津波に遭った人々が、勇気を出して再度立ち上がるのがこの映画の中心。実際の話です。人間は何回も失敗しますが、何回も立ち上がるという大事な精神を育てないといけない」

  • エグゼクティブ・プロデューサー
    バーティアル・ラフマンさん
  • アソシエイト・プロデューサー
    ヨーク・ザキアさん
  • リュウケン・ライッサ監督

上映後に再びライッサ監督が登場。監督自身はジャカルタ在住。主演の少年がアチェ出身で、空手の道場で練習中に地震に遭い、生き残ったのが彼とお兄さんの2人だけだったといいます。ロケはアチェ、バリ、東京の御台場で行われていて、アチェの場面では津波によって内陸に運ばれた発電船がそのまま残されている風景が印象的でした。「アチェのみならず全世界の天災に見舞われた人々、特に子供達が空手の精神によってトラウマから立ち上がることを目的にしています」

武田梨奈さん、川畑要さんの起用については、空手の由来が日本であるため、日本人が共演できる場面を作ったとのこと。「お二方とも日本では有名。ポップミュージックも有名なので全世界に向けてアーティストの魅力でアピール出来ますから」

この作品を作るに当たって、全体で約5時間のフィルムがあり、今回上映されたのがインドネシア・バージョン。もう一つインターナショナル・バージョンがあり、そちらには武田さん、川畑さんの登場シーンが多いとのこと。インターナショナル・バージョン公開の折にはファンの皆さまお見逃しなく!