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3月6日(金)オープニング・セレモニー

記念すべき10回目の映画祭オープニング・セレモニーは華やかなものに

今年のオープニングセレモニーは、オープニング作品でワールドプレミアとなる『白河夜船』の上映前、梅田ブルク7にて開催されました。

まず壇上に呼び込まれたのは、上倉庸敬大阪映像文化振興事業実行委員会委員長。「『白河夜船』のオープニングからクロージングの『国際市場で逢いましょう』までの10日間にわたり、50本近いアジアの作品をご覧いただけます。アジアの多才なクリエイティビティをお楽しみください」と挨拶。

  • 上倉庸敬 大阪映像文化振興事業実行委員会委員長

続いて、ゲストが登場。登壇ゲストは、このセレモニーの数時間前に行われたばかりの「アジアン スター フェスティバル 2015」参加の面々もまた駆けつけました。作品ごとに代表者が挨拶。

中でも最後にスピーチしたウェイ・ダーションさんのコメントは印象的。「今、世界はほうぼうで不穏なことが起きていますが、異文化を知ることが大事。さまざまな国の映画を通して、互いに異文化を理解することができれば、世界に温かみを与えられるのではないでしょうか」と、映画の持つパワーをアピール。「ちなみにまだ日本では『KANO 1931海の向こうの甲子園』は公開中ですので、ぜひ劇場へ足を運んでもらいたいです」と作品プロデューサーの顔をのぞかせる場面も。

このあと、マスコミ、観客へ向けての記念撮影タイムがもうけられ、セレモニーは終了しました。

 

つづいて、特別招待作品部門『白河夜船』の監督、キャストのみが壇上に残り、オープニング作品舞台挨拶が始まりました。

この作品は、昨年の9月に5日間の撮影で制作された、比較的小規模な作品だが、出演の井浦新さんの「長編の素晴らしい作品を短期間でもつくれることがわかってもらえるはずです」というコメントに、この作品にかけたスタッフの熱意が伝わってきました。

  • 若木信吾監督
  • 安藤サクラさん
  • 井浦新さん

この作品のキャスティングについて、若木信吾監督は「ヤン・ヨンヒ監督の『かぞくのくに』で共演していた2人が素晴らしく、この関係を僕の作品でやってもらいたかったし、新さんは是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』でデビューしてますが、そのときにスチールカメラマンをさせていただいた縁もあるんです。」と告白。

すると、安藤サクラさん、井浦新さん共にちょっと困った顔に。というのも、「『かぞくのくに』では私たちは兄妹役だったんですが、この作品では男と女の関係だったので……(笑)」と安藤さん。また、井浦さんも「『ワンダフルライフ』で芝居が全くできない僕のことをみてくれていた若木さんと、映像の仕事ができるのはありがたい」とちょっと恥ずかしげに語られました。

この作品での2人は、たしかに『かぞくのくに』とは違うものの、いい意味で近い距離感を感じさせる芝居がキモ。監督の目論みは見事に的中したといえるのでしょう。