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協賛企画《芳泉文化財団の映像研究助成》

登場

ON STAGE [登場]

監督:張曜元(張曜元)

Director: ZHANG Yaoyuan|2021年|日本・中国|79分

上映日 時 間 会 場
3/17 木 13:00 国立国際美術館(入場無料)
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出  演
リャン・ロン(梁龍)
作品解説

中国で最も論争的なバンドの一つであるセカンドハンドローズのボーカルを務めるリャン・ロン(梁龍)を主人公に、彼の日常生活、彼が主演した映画の撮影現場、新年コンサートなどを取材して制作した作品。

派手な衣装を身に纏うミュージシャンとしてのリャン・ロンと、映画撮影の裏側でスタッフや共演者とのやり取りに気遣いを見せるリャン・ロンという2つの対照的なキャラクターを示しながら、彼を取り巻く状況を通じて、かつて「共和国の長男」と呼ばれた中国東北地方の衰退を浮かび上がらせる。

監督メッセージ

『登場』は私にとって初めてのドキュメンタリー映画で、監督、撮影、編集、製作を担当した一作である。本作では、中国のロックバンド、セカンドハンドローズのフロントマンであるリャンロンを、被写体として取り上げている。

2019年、セカンドハンドローズは結成20周年を迎える。2019年は、リャンロンがデビューしてから最も活躍することが予見される年でもある。この多忙な年に向けて、リャンロンにはどのような変化が起きたのか。彼は自らの過去と未来をどのように見ているのか。そして政治的経済的に苦境にある故郷中国東北地方にどのような思いを抱いているのか。作品では、リャンロンが主演を務める映画の撮影現場、新年コンサートのバックステージ、彼の日常生活の様子に焦点を当て、現実の舞台に生きているリャンロン自身の人生と、アーティストとして音楽の舞台で活躍する彼の人生のコントラストを描き出し、撮影や編集のほとんどでダイレクトシネマの理念を実践して、ストーリーを展開した。

私が最も興味を持ったのは、リャンロンの個性、つまり、舞台上のリャンロンが、奇妙なパフォーマンスとスタイルによって、日常とはまるで別人のようであることだった。東北地方を舞台にした映画『没問題』の撮影現場やセカンドハンドローズの新年コンサートに密着して、様々な矛盾を抱えたリャンロンと他の登場人物とのやり取りを描く中から、私自身の故郷でもあり、かつては栄えていた中国東北地方の不振の現状を記録することができるのではないか。この問いに答えることを目的に、私はリャンロンに関するドキュメンタリー映画を制作することになった。