← Back
  • 日本初上映

特別注視部門

手袋を買いに

A Winter Glove [장갑을 사러]

監督:イ・ヒョンジュ(이현주)

Director: LEE Hyeon-ju|2021年|韓国|28分

上映日 時 間 会 場
3/13 日 16:50《短編2》 シネ・リーブル梅田4
3/18 金 12:20《短編2》 シネ・リーブル梅田4

※プログラム《短編2》『アウトソーシング』『母のガールフレンド』と併映

  • LINE it!
出  演
キム・ジョンミン(김정민)
ヤン・ジョンウク(양종욱)
キム・ハラム(김하람)
作品解説

その年の10月、ピアノ教師のインギョンは日本語教室に通い始める。恋人が仕事で日本に赴任することになったからだ。しかし、彼女は「なぜ日本語を習いたいのですか?」という講師の質問に答えられない。ある時、同じ教室に通う男性が、自分の結婚式でピアノ演奏を披露したいと言うので、インギョンは彼の教師となる。月日は過ぎ、旅立ちの日が近づくが…。

日本語を習い始めた韓国人女性の、ある3ヵ月間の出来事を描く物語。パートナーの都合に合わせて、なし崩し的に将来を決めかけてしまう主人公の感情の移ろいを、イ・ヒョンジュ監督はつとめて淡々と、デリケートに綴る。そして、彼女の清々しい表情が印象的なラストシーンに向けて、「始まるものと終わるもの」のドラマを紡いでいく。タイトルの由来になっている「京都の宝泉院で、片方だけ失くしてしまった手袋」の逸話をはじめ、観る者にくどくど説明せず想像させる“余白”がこの映画の美点。その“余白”を埋める想像力を喚起する、白を基調としたシンプルな画面設計も効果的だ。セリフには表れないが、教室で習う日本語として真情が映し出される場面も面白い。

釜山国際映画祭2021では短編映画コンペ部門に選出され、最優秀短編賞にあたるソンジェ・アワードを獲得した。[木浦孝]