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3月14日(土)vol.4

 

緊急登壇!急きょ駆けつけてくださった秋月三佳さん主演『Starting Over』

この日、インディ・フォーラム部門『Starting Over』の主演、秋月三佳さんは、京都でのお仕事があり、上映1時間半前に終了したという撮影現場から急きょ駆けつけてくださいました!

西原監督が「役づくりのために、プライベートでも親しく交流していた」と言っておられましたが、実際、共演した遠藤新菜さんと、とても親しくなったそう。コマーシャルなどを通して感じる秋月さんは、とてもハツラツ元気な印象。ご本人からもそんな印象を強く受けました。しかし「『Starting Over』の役みたいに、辛い、厳しい役が好きですが、女優のお仕事が増えてくると、そうでない役もあり、ジレンマがあります。」と秋月さん。

今年は、これから『リアル鬼ごっこ』(園子温監督/7月11日より全国公開)、『ガールズ・ステップ』(川村泰祐監督/今秋公開予定)などの出演作が続々公開となります。「これからも女優というお仕事を頑張っていきますので、よろしくお願いします。」 と、明るくしめられました。

 

 

 

地元の協力を得て作られた『新しき民』

続いてシネ・ヌーヴォでインディ・フォーラム部門『新しき民』の舞台挨拶が行われ、山崎樹一郎監督と桑原広考プロデューサーが登壇されました。

監督の拠点である岡山の地元で多くの方々の協力を得てつくられた本作。岡山で上映した時の皆さんの反応について聞かれると、「よかったという声もあれば、お年寄りの中には思っていた時代劇とは違う、イメージしていた山中一揆と違う、という声もあった」とのこと。その理由について山崎監督は、「自分は単なる時代劇ではなく現代に通じる話を撮りたかった。」そして「今、テレビで流れているものは分かりやすい話ばかり。せめて映画は観客とぶつかり合ってもいいのではないかと思っている。」と語られました。

今後も意欲的に上映を続けていくとのこと。ご注目ください。

  • 山崎樹一郎監督
  • 桑原広考プロデューサー

本作は、2015年10月、ユーロスペース(東京渋谷)、シネ・ヌーヴォ(大阪九条)にて、今冬、名古屋シネマテーク(愛知名古屋)、元町映画館(兵庫神戸)にて公開。ほか全国公開準備中です。

 

 

 

映画をつくることを語る熱き時間『続・映画列車 リュミエールかエジソン』

世界初上映となったインディ・フォーラム部門〈CO2ワークショップ作品〉『続・映画列車 リュミエールかエジソン』。本作は「CO2特別ワークショップ・映画列車~1分映画を作ろう~」の企画を追ったドキュメンタリー。上映後には、小出豊監督とCO2特別ワークショップ「映画列車〜1分映画を作ろう〜」に参加されていた西林麻里絵さん、CO2運営事務局長、富岡邦彦さんらが登壇し語らいの時間がもたれました。

富岡事務局長から「映画列車〜1分映画を作ろう〜」ワークショップの狙い、過程、見解などが語られ、『マヨネーズストレス』というタイトルで初めて映画を撮った参加者の西林麻里絵さんも、その難しさや発見の面白さなど具体的なシーンの話しをされながら体験を語られました。制限があることから生まれる面白さ、自由すぎることがあらゆるジャンルの芸術をダメにしている、と語る富岡事務局長。そんな富岡さんのことを小出監督は「反面教師になることをいとわない。珍しい大人。」と評し、その信頼感をにじませました。

また、ドキュメンタリーをつくるにあたり、受け身で撮るのか追っかけていって撮るか悩ましかった、など苦労話もでて、「映画」をつくる、ことに対する熱き思いが溢れる時間となりました。

  • 富岡邦彦CO2運営事務局長(奥左端)
  • 西林麻里絵さん(左)、小出豊監督

 

 

 

伝えたいことは「ない」けど、随所のこだわりが観客に届いた『バカドロン』

インディ・フォーラム部門〈第11回CO2助成作品〉『バカドロン』でも、上映前の挨拶に引き続き、上映後にもQ&Aの時間が持たれました。黒田将史監督は「この映画で伝えたいことは、ないです(笑)」と放ち「あえていうなら、悪いことをしたらバチあたるよ、ということですね」とのっけから集まった方々を笑わせていました。

NHK Eテレ「テレビで中国語」にレギュラー出演されている段文疑さんも駆けつけてくださいました。監督から「可愛く、なまってください」と指示があり、普通のアクセントで日本語話せる段さんは、あえて中国なまりを話す練習をされて撮影に挑んだ、とか。また、観客から「大阪のギラギラしたシーンがはいっていないのはなぜ?」との質問が。すると監督は「スマホも嫌いなんです(笑)」今回も昔っぽくつくりたく、古い感じのコインラドリーを探したりして。通天閣はうつっても、ハルカスはうつさない、みたいな。」そういうテイストで全編彩ったそう。

また、劇中、GONさんがテトラポッドから落ちるシーンについて聞かれると「本当に落ちました。脚本にはなかったもの。何回かテイクを繰り返していき体力がおいつかなくなり、こけてしまい、カメラマンさんが声を出しちゃうぐらいのシーンとなりました。」とのこと。撮影は16日間でなかなか過酷なものであったようです。その間、お風呂に2回しか入っておらず、帽子かぶってごまかしていた、という監督に段さんから「冬でよかった」と一言。これには会場も爆笑に。笑いのたえない愉快な時間となりました。

  • 黒田将史監督(奥右端)
  • (左から)野村尚平さん、段文疑さん、GONさん

 

 

 

“女性の強さを描きたかった”松本監督の『誰もわかってくれない』

インディ・フォーラム部門〈第11回CO2助成作品〉『誰もわかってくれない』の上映にあたり、松本大志監督と主演の辻凪子さん、新倉ケンタさんが登壇されました。話はラストシーンのことに。物語につきあったくれた役者さんに任せたい、ということをやってみたくなった監督は、演者さんに動きを完全に任せたのだそう。任せられた辻凪子さん、新倉ケンタさんが、その時の気持ちのつくり方などを語り、三者三様の発想をもって取り組まれたシーンであったことが見えてきました。

また、監督の描きたかった点について観客から「女性のしたたかさ、男性のなにもできないところですか?」の問いに、監督は「女性の強さ、ですね」とのお答え。「女性を完全に悪女のように描きたかったわけではなく、どう考えているのがわからないからこそ、どちらかというと尊敬しているので、偏ったような目線では描きたくなかった。」と話される監督。

また別の観客からは「知らない人、通り過ぎる人それぞれにストーリーがあると思うと、これから帰る道が楽しみです。」と会場がふわっとあたたかくなる感想がありました。作品について辻さんは「今はもっといろいろ人に感想をもらえたら、どしどしリアクションが欲しいです。」と、また、新倉さんは「生まれたての作品。目に触れて、もっともっと成長していってほしいなと思う。」と話され、この時間は終了しました。

  • 松本大志監督(左)、辻凪子さん
  • 新倉ケンタさん