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特別招待作品部門

風たちの午後 デジタルリマスター版

Afternoon Breezes [Digitally Remastered Version]

監督:矢崎仁司

Director: YAZAKI Hitoshi|1980年|日本|110分

上映日 時間 会場 ゲスト登壇(予定)
3/13水 18:20 シネ・リーブル梅田3

【開催レポート】

風たちの午後 デジタルリマスター版
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出  演
綾せつこ
伊藤奈穂美
作品解説

美津の誕生日。夏子はお揃いの乙女座のネックレスとバラの花を買って来る。しかしアパートの窓には白いハンカチ。それは美津の恋人・英男が来ている合図だった。ひそかに美津を愛してしまった夏子。彼女を独り占めしようと思うがゆえに英男に近づく夏子は…。真夏の午後、世界を震撼させた衝撃のラストが――。

16ミリフィルムの劣化や使用楽曲の権利問題により、長らく封印されていた矢崎仁司監督の処女作『風たちの午後』。現代の高度な技術でフィルムの修復を行い、伝説の映画が40年の時を経てスクリーンに蘇る。

2019年3月2日より全国順次公開

監督メッセージ

正確に覚えていないけど「映画は人と同じで歳月とともに死んでいく」という鈴木清順監督の言葉が好きだ。だからリマスターを作るより、新作を生み続けていたいと思っていた。凡そ40年前、日本大学の学生だった頃、この『風たちの午後』を自主制作した。聞こえてくる音を幽かに残し、「観る」ことの映画を作りたかった。上映中の音量を下げるために、すべての上映に付き添った。だから日本中の各地を旅して、この映画の観客に出会った。初めての海外は、エジンバラ国際映画祭だった。また、ニューヨークでは、矢崎が女性なら、シャンタル・アケルマンやマルグリット・デュラスに匹敵すると言われ、表現者の性別を超えた記念すべき作品と評価されました。この映画を作ったことで、デレック・ジャーマン監督、侯孝賢監督、楊德昌監督に出会えた、思い出深い作品です。今も、ロンドン、香港などのゲイ・フィルム・フェスティバルから上映を熱望されているのに、フィルムの劣化と音楽の問題などがあり、皆さんに観て頂くチャンスがなくなってしまったのが残念でした。

この度、映画24区やABCライツさん、皆さんの力を借りて、もう一度、世界のスクリーンに映すことが出来ることは心から嬉しいです。また、世界中のこの映画の観客に会え、新たなエネルギーを、新作に注ぎこみたい。ストーカーやLGBTなどの言葉すらなかった頃、人が人を愛することを、愛が動機ならやっちゃいけないことは、何一つないと信じて作った作品を、今の人たちに観てもらいたいと強く思います。

配  給
映画24区
関連サイト
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