- 海外初上映
特別注視部門
アレクス
Alikis [埃里克斯]
監督:エメットジャン・メメット(艾麦提 麦麦提)
Director: Emetjan MEMET|2019年|中国|12分
- 出 演
- メルハバ・イスライル
エクレム・エーメット
イーサン・イマーム
アブドゥラ・アブデリム - 作品解説
1991年に新疆ウイグル自治区に生まれ、中国唯一の映画大学とも言われる北京電影学院の大学院生として映画を学ぶエメットジャン・メメット監督による短編映画は、不在の“アレクス”をめぐる、一組の夫婦の物語。
結婚式から1周年を迎えた記念日に、ニジャトは妻を驚かせようと事前に連絡をせずに帰宅する。彼は空港で愛犬アレクスのためにプレゼントも購入していた。しかし、自宅にはアレクスの姿がない。ニジャトはアレクスの居場所を妻に尋ねると、彼女は浮かない表情で話し始めるものの、その内容は二転三転。業を煮やしたニジャトは、妻がアレクスを預けたという彼女の叔父の家へ向かうのだが…。
ローアングルで街頭を映し出し、徘徊するかのような不安定なカメラワークでオープニングクレジットが始まる。そこから物語は終始、登場人物たちの感情が抑制された会話で進行する。全編を貫く不思議な緊張感と不穏さで見るものをスクリーンに引きつける演出手腕が、新たな才能の胎動を感じさせてくれる。[鈴木大志]
★中国のウイグル語圏に発生中の新しい波は、要注視!