- 海外初上映
特集企画《台湾:電影ルネッサンス2020》
雄鶏ものがたり
A Cockerel's Tale [雄雞卡克]
監督:シエ・ペイルー(謝沛如)
Director: HSIEH Pei-ju|2019年|台湾|21分
- 出 演
- フィン・ホアン(黃士勛)
スミス・スカッダー・ノーマン
ツァイ・ジャーウェン(蔡哲文)
クリスティン・ホン(洪瑋婷)
ルー・ウェンシュエ(魯文學) - 作品解説
OAFF2020コンペティション部門で初の長編映画『大いなる餓え』が上映されるシエ・ペイルー監督の短編映画。とある養鶏場を舞台に1羽の雄鶏の姿を描いていく。
通俗的な価値観への違和をドラマチックに表現した『大いなる餓え』の主人公がふくよかなヒロインだったのに対して、こちらの短編作品の主人公は、なんと雄鶏。抑制の効いたカメラワークで映し出される養鶏場の風景、そしてそこにかぶさるのは穏やかなトーンのナレーション。序盤はニュース映像や教材ビデオを見ているのかと錯覚するほど地味だが、鶏の着ぐるみを着たフィン・ホアン演じる雄鶏が登場することで、一気にシュールな世界が立ち現れる。養鶏場の中で本物の鶏に囲まれる着ぐるみ姿のフィン・ホアン。彼の優男然としたたたずまいもあいまって、一層ユーモラスな物語として見ることができる。
『大いなる餓え』のヒロイン役で熱演を見せたツァイ・ジャーウェンが“特別出演”として劇中に登場するのでお見逃しなく。[鈴木大志]