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  • 海外初上映

特別注視部門

めちゃくちゃな日

An Excessive Day [지나친 하루]

監督:チャオ・ダンヤン(趙丹陽)

Director: ZHAO Danyang|2021年|韓国・中国|25分

上映日 時 間 会 場
3/11 金 14:40《短編6》 シネ・リーブル梅田3
3/16 水 16:20《短編6》 シネ・リーブル梅田4

※プログラム《短編6》『北新宿2055』『姉ちゃん』と併映

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出  演
オ・ウリ(吴友利)
ホ・ダイン(许多茵)
チェ・ピルサン(崔弼相)
パク・チェウォン(朴材源)
チョン・ヨンジュ(郑容周)
作品解説

大きなスーツケースを引きずって、以前の勤務先であるコンビニにやって来たソウ(オ・ウリ)。未払いの給料を受け取るためだが、店長は不在。後任の店員はソウと同世代ぐらいの、韓国語がうまくできない中国人の女の子だった。店長の帰りを待ちながら、ソウはいつの間にか彼女を手伝い始めるのだが…。

中国・丹東出身で、韓国の中央大学校で映画制作を学んだチャオ・ダンヤン監督が「異国に住む人々の心の傷を慰めたい」という思いを込めて撮り上げた一作。そんなパーソナルな思いとともに、観客の心情を巧みにリードする達者な語り口も兼ね備えている。

誰もが馴染みのあるコンビニという舞台設定と、果たして主人公はきちんと給料を受け取ることができるのか?というサスペンスが、観る者を瞬時に物語へと引き込んでいく。そして、状況説明をゼロから段階的に積み上げていくことで、主人公を取り巻く「何らかの事情」を想像させ、同時に現代社会に遍在するテーマ(若者の就職難、企業による搾取、外国人労働力の流入、etc.)にも絶えず思いを致すことになる。さらに中盤、誰もがハッとする意外な展開に、別の新たなテーマが鮮やかに立ち上がる…。現代的な「女性の連帯」をさりげなく描いた一編でもあり、短編ならではの美しさを感じさせる逸品だ。[木浦孝]