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  • 日本初上映

特別注視部門

ブラックミルク

Black Milk [Schwarze Milch]

監督:ウィゼマ・ボルヒュ

Director: Uisenma BORCHU|2020年|ドイツ・モンゴル|91分

上映日 時 間 会 場
3/12 金 12:50 ABCホール
3/14 日 15:30 梅田ブルク7:シアター7
ブラックミルク Black Milk
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出  演
グンスマー・ツォグゾル
ウィゼマ・ボルヒュ
フランツ・ロゴフスキ
テレビシ・デムべレル
ボルヒュ・バワー
作品解説

『そんな風に私を見ないで』(2015)でOAFF2016の《来るべき才能賞》を受賞したウィゼマ・ボルヒュ監督(1984〜)の長編2作目。ドイツで育ったモンゴル人の若い女性ウェッシ(監督自身が演じている)は、20年ぶりに郷里へ帰国し、ずっと離ればなれでいた妹オッシと遊牧生活を始める。姉妹の情が湧くなか、変わり者の男テルビシュをめぐって意見の違いが芽ばえ、自身の欲望に忠実な姉と因襲に囚われた妹の溝が露わになって…。

第70回ベルリン映画祭のパノラマ部門で上映された注目の一作。前作同様、4歳でドイツに移住した監督の実人生に着想を得た内容で、現代のゲル(移動式住居)暮らしを点描しながらも、食と性と死を結びつけ、洋の東西を問わず男性中心にある社会の不条理と、自然と一体に生きられない人間の卑小さを描いている。

排外主義が強まるドイツを象徴する役柄で、フランツ・ロゴフスキ(『希望の灯り』で2018ドイツ映画賞主演男優賞。テレンス・マリック監督作『名もなき生涯』など)が出演。瞬間的な回想や未来叙述、トラウマ的な夢や詩的なヴォイスオーバーを挿入し、21世紀に入っても居場所のない女性たちの優れた肖像を提示している。[赤塚成人]