プレ企画

大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール

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第1回開催レポート(2015年9月13日@大阪国際交流センター)

大阪国際交流センター

2016年3月に開催する「第11回大阪アジアン映画祭」のプレ企画、「大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール」第1回が新会場の大阪国際交流センターでスタートしました。

今年は9月からの開催となりましたが、告知早々残席わずかとなる盛況ぶりでした。初めて受講いただく方も2~3割、遠方から毎月通ってくださる方もおられ、映画祭同様、受講生のすそ野が広がっています。

最初に、当ゼミナール講師の大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター、暉峻創三(以下暉峻PD)より、ゼミナールのオリエンテーションが行われました。そして今年で7年目を迎える特別ゼミナール開始にあたり、「一方通行型の講座ではなく、受講生の皆さんと交流を深め、大阪アジアン映画祭を充実したものにしていきたい」、さらに「映画祭が創造的な存在になるために重要なのは、香港・韓国・台湾など予め固定ファンのいる国や人気スターの作品に頼るのではなく、ここ数年のフィリピン映画に代表される東南アジア作品やスターが出ていない作品にどれだけ観客動員できるか。その部分で大きな使命を担っているのは、その知られざる魅力を周りに伝えることのできる受講生の皆さんです」と力説しました。

歴史作品・時代劇にフォーカスした『第7回京都ヒストリカ国際映画祭』、今年の見どころは?

昨年より恒例となった、受講生の方による冒頭のイベントの告知やプレゼンテーションタイムでは、今年で7回目を迎える京都ヒストリカ国際映画祭(2015年10月31日~11月8日開催)の仕掛け人、高橋剣氏に、プレス発表より一足早く見どころや注目作品を生レクチャーしていただきました。

京都ヒストリカ国際映画祭・高橋剣氏

暉峻PDが「日本の映画祭の中で一番コンセプトがはっきりしている」と絶賛した京都ヒストリカ国際映画祭。歴史に関わる作品や、時代劇だけを上映する映画祭は、国内外で年々評価を高めています。中でも特別力を入れてご紹介いただいたのが、時代劇の作り手たちに注目すべく、毎年歴史映画ならではの視点で作品を紹介するヒストリカフォーカス。今年は、京都で製作されたテレビ時代劇を一挙に回顧する企画で、東映と松竹が実行委員会に入っているため初の劇場上映が実現できたそうです。

上映作品は、中村勘九郎(五代目)が石松に扮した『森の石松』(92年放送)、抽象性の高い森鴎外の歴史小説を、深作欣二監督が力技で仕上げた山﨑努、蟹江敬三、佐藤浩市の熱演が光る必見作『阿部一族』(95年放送)、山本周五郎の同じ原作の映像化作品のなかで、もっとも出来栄えがいい、渡辺謙主演の『町奉行日記』(92年放送)、火野正平が自転車に乗った平賀源内役で登場する、時代考証を無視したエンタメテイストが楽しい『殿さま風来坊 隠れ旅』(94年放送)、デビューしたての原田美枝子と勝新太郎が日本海でフラフラしながら撮ったようなテレビドラマではないような風合いが魅力の『新・座頭市Ⅱ』(78年放送)をはじめ、『服部半蔵 影の軍団』『仮面の忍者 赤影』『必殺仕掛人』『艶姿初春!照姫七変化』『素浪人 月影兵庫』など、往年の名作時代劇が勢ぞろい。上映後は、犬童一心監督、大地丙太郎監督、俳優の品川隆二氏、DEAN FUJIOKA氏らをゲストに迎え、当時の時代劇を支えたスタッフと、舞台裏トークを繰り広げるので楽しみにしてほしいと、ご紹介いただきました。

『町奉行日記』@東映 『艶姿初春!照姫七変化』@東映 『素浪人 月影兵庫』@東映

毎年ワールドプレミア作品をはじめ、世界の歴史エンターテインメント作が揃うヒストリカワールドでは、アジアフォーカス・福岡国際映画祭のオープニングを飾るインドネシアの武侠映画『黄金杖秘聞』、1930年代初期のウィーンを舞台にしたオーストリア発のキュートなコメディ『吸血セラピー』、カンヌ映画祭監督週間グランプリ作『大河の抱擁』、1950年代初期のエストニアを舞台にフェンシングで生きる意味を見つけた教師と子どもたちの物語を抑制したタッチで描いた『フェンサー』などがラインナップされています。

京都ヒストリカ国際映画祭・高橋剣氏とOAFF・暉峻PD

一通りご紹介いただいた後は、質問したいことが次々と口から飛び出す暉峻PDと高橋氏との、プログラミング・ディレクター対談に突入!作品の探し方から、今回提携することになった東京国際映画祭との企画について、そして最後には映画祭の財政構造にまで質問が及び、特別ゼミナール第1回はあっという間に終了時間となりました。最初から、ここだけの話満載の連続ゼミナール。京都ヒストリカ国際映画祭の関連イベント、京都フィルムメーカーズラボ太秦上洛まつりなど、映画の街、京都を楽しめますよ。

久々となる二次会も、多数の方にご参加いただきました。遠方からお越しいただいた新しい受講生の方も加わって、暉峻PDを囲みながら楽しいアジア映画&映画祭談義で盛り上がりました。

大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール第2回は、10月12日(月・祝)大阪国際交流センター会議室3、4にて開催いたします。