第12回大阪アジアン映画祭|プレ企画

大阪アジアン映画祭連続ゼミナール

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第3回開催レポート(2016年11月12日@大阪国際交流センター)

2017年3月に開催する「第12回大阪アジアン映画祭」のプレ企画、「大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール」第3回。今回は、ゼミ受講生の方の発表が2組ありました。

主演は大物ロックシンガーの娘!
島田角栄監督最新作は高円寺が舞台の『PLAN6 CHANNEL9』

3年連続で島田角栄監督最新作紹介をしてくださった受講生の紅粉チコさん。今回は『PLAN6 CHANNEL9』に出演、スタッフも兼任された滝沢悠平さんにもお越しいただき、お二人で撮影の様子や島田監督についてお話しいただきました。

「高円寺のパンクショップが舞台。経営者マヒルのもとに、風変わりな常連客が人生相談をしにやってくる群像劇。パンク版『深夜食堂』」という同作。歌を歌い、その人に一番合う服を選ぶという主人公マヒル役の矢沢洋子さんは、矢沢永吉さんの娘で「人懐っこく、育ちの良さが滲み出ていた」と滝沢さんも絶賛。その歌唱力も映画で堪能できます。鳥居みゆきさんやR1で優勝したハリウッドザコシショウなど、「島田監督の作品なら」と集まったキャストは、相変わらず濃い!暴走しつづけるパンク監督と呼ばれる島田監督ですが、本作もかなりの熱量で一気に撮りあげたとか。「0か100か、ハマる人にはハマると思います!」とアピールしてくださった紅粉さん。大阪では12月10日よりシネマート心斎橋で公開。その後シネ・ヌーヴォでも上映予定です。

『PLAN6 CHANNEL9』公式Twitter  https://twitter.com/plam6channel9

大阪アジアン映画祭連続ゼミナール・第3回開催レポート大阪アジアン映画祭連続ゼミナール・第1回開催レポート

一般映画ファンが見た2016釜山国際映画祭(BIFF)

前回のゼミナールでは、今年のプチョン国際ファンタスティック映画祭(BiFan)について暉峻プログラミング・ディレクター(以下、暉峻PD)より解説がありましたが、今回は今年のBIFFに一般客として参加した受講生に、フリーマガジン、チケットカタログや現地で撮った写真をスクリーンで見せていただきながら、感想を語っていただきました。

会場は、BIFFのために建てられた「映画の殿堂」(専用劇場を所有しているのは他にトロント国際映画祭くらい)、大学校舎内にあるホールやロッテデパートの中のロッテシネマなど、計5館34スクリーンというスケール。暉峻PD曰く、「例年、あえてオープニングとクロージングに地味な作品を選んできた」というBIFFですが、今年もそれは踏襲され、韓国のインディーズ系作品『春夢』(A Quiet Dream)とイラクの “The Dark Wind” が開閉幕作となりました。

大阪アジアン映画祭連続ゼミナール・第3回開催レポート・BIFF「映画の殿堂」

ガラ・プレゼンテーションと呼ばれる部門には日本人監督の作品が4作品中3本(『ダゲレオタイプの女』『怒り』『君の名は。』)選ばれています。BIFFで一番派手な映画が集まるガラ・プレゼンテーションですが、今年は『ダイビング・ベル』上映以来の騒動の余波で同部門も地味だったのだとか。韓国映画界がBIFFと距離を置き始めたことも上映作品に影響しているそうで、日本などはメジャー級作品が多数上映されましたが、韓国映画はプレミアである必要はないにも関わらず、大ヒットした一部のメジャー作品は上映されず、インディーズ系が中心だったそうです。

◎「野外劇場」は劇寒でも、4000人が鑑賞するほどの作品を毎晩上映

開閉幕式と毎晩8時からの「OPEN CINEMA」が上映される野外劇場(映画の殿堂内)。上映中に風を感じたり、クラクションが聞えてきたり野外劇場ならではのことも・・・。暉峻PDが「(寒さのため)前身のヨット競技場時代も含めると、僕も過去2勝4敗で途中退散したことの方が多い。厳重な防寒着が必要」と体験談を披露しました。

大阪アジアン映画祭連続ゼミナール・第3回開催レポート・BIFF「野外劇場」
◎日本からも公式サイトでチケットが購入可能

「海外の映画祭ってハードルが高いのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、BIFFでは公式サイトなどで前売チケットの購入ができます。人気作品は発売時即予定数終了となりますが、上映前日までキャンセルが可能(料金など条件有)なため、しばらくしてからアクセスすると空き席がでることも。また当日枠やチケット交換ブースが用意されており、一部の作品についてはアワード上映や追加上映も実施されていました。

大阪アジアン映画祭連続ゼミナール・第3回開催レポート・BIFFチケットブース
◎チケットを持ってなくても、日によってはイベントプログラムが立て続けに

海沿いの街、釜山ならではのBIFFイベントは、例年、砂浜にセッティングされたアウトドアステージにて開催。ただ、今年はオープニング前日に大型台風が襲来し、海の沖合に装置が流れてしまったため、翌日に映画の殿堂内スペースにセットを作っての開催となったそうです。イベントが数多く実施される日もあり、スターや監督のトークや舞台挨拶などを楽しむことができます。

また、上映後のトークは、韓国語のみの場合でも英語の通訳が必要な人がいるか最初に会場に聞いてくれるので、そこで挙手すれば通訳サービスが受けられるそうです。

意外と移動に時間がかかるという話から、エレベーターが常に満員でなかなか乗れないことが話題に上ると、暉峻PDがそれは韓国名物としながら、現地の人の裏技を解説。その他、会場周辺のフードコートやホテル事情など生情報が飛び交いました。最後に今年のBIFFでは、 ホ・ジノ、パク・チャヌク、キム・ジウン、イ・ジェヨンら韓国の386世代監督が一斉に新作で復帰したことが特徴と暉峻PDが解説し、第3回のゼミナールを終了しました。