- 海外初上映
特集企画《ニューアクション! アジア》
桃源
Life of Zhang Chu [桃源]
監督:ルー・ユーライ(呂聿来)
Director: LU Yu-Lai|2018年|中国|113分
- 出 演
- ゴン・ロー(耿楽)
チー・シー(斉渓)
リュー・シンチェン(呂星辰) - 作品解説
東京フィルメックス2018観客賞、『COMPLICITY』(本年一般公開予定)に藤竜也とW主演した中国のイケメン俳優、ルー・ユーライによる長編初監督作。第2回平遥国際映画祭で「中国新世代」部門の観客賞に選出された。
チャン・チュウ(ゴン・ロー(『天使は白をまとう』))は雪の残る朝、同棲するリー・ホン(リュー・シンチェン(『消えゆく恋の歌』))には内証で殺しの逃走役を引き受ける。前妻カオ・シューエン(チー・シー(『二重生活』))が絡む事件の背後に、彼のやりきれない悔恨が浮かびあがる。
主人公と同じ筆名をもつ小説家の中編「七根孔雀羽毛」と「地下室」を監督自らが脚色した一篇。時間軸をさかのぼるにつれ、子どもが生まれた夫婦の夢の隔たりが露わになる展開で、大胆な省略法と気の利いたセリフが隠し味となり、チュウの心の闇と一抹の希望が余韻深く立ちのぼる。「桃源」は名もない地方都市の象徴か。中国では急速な経済発展で大都市に若年富裕層が形成された一方、その恩恵にあずかれない地方の若者も多い。彼らが真に思い描くべき夢のありかを、本題は提示しているのかもしれない。
撮影は『草原の河』のワン・モン(王猛)。