プレ企画

大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール

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第2回開催レポート(2015年10月12日@大阪国際交流センター)

2016年3月に開催する「第11回大阪アジアン映画祭」のプレ企画、「大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール」第2回。連休の最終日にもかかわらず、多くの受講生にご参加いただきました。

冒頭の受講生による活動紹介では、「鉄ドン」代表の星野零式氏より、東京・中野で10月31日(土)から11月3日(火)まで開催される新人監督映画祭で、プロデュース作『フールジャパン 鉄ドン危機一発』が上映決定とご紹介いただきました。平均3分、21本のバカ映画オムニバスの第二弾で、元・JKT48のステラ・コルネリアや、第10回大阪アジアン映画祭(以下OAFF)で上映された『ガルーダの戦士ビマX』の特別篇監督を務めたおかひでき氏の作品も。海外ではロンドンをはじめ、メキシコやアルゼンチンでも上映されており、サブカル好きにはたまらない作品を劇場で鑑賞する貴重な機会です。なお、新人監督映画祭では、OAFF2015インディ・フォーラム部門出品作、イ・ユンソク監督『雨時々晴れ』も上映されます。

引き続き、今回初の試みとして、当ゼミナール受講生の三澤政之氏より、一般観客目線で、富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭(以下BiFan)の魅力を語っていただきました。

京富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭

毎年7月に開催されるBiFanは、アクセス面や、規模面で一般の観客として参加するにはかなりオススメの映画祭という三澤氏。45か国約140本の映画を11スクリーンで上映。観客のほとんどが韓国人でありながら、各チケットブースには必ず英語が話せるスタッフがいるそう。朝早めにチケットブースに並び、当日券を買って映画三昧の一日を過ごすというタイムスケジュールまでご紹介いただきました。期間中オールナイト(3本立て)が3回あり、最高で1日8本観ることが可能という映画漬けに最適な環境であることに、受講生からも驚きの声が。最新日本映画も多数上映されているそうです。

暉峻プログラミングディレクター(以下暉峻PD)からは、BiFanがホラー映画の祭典として当初は定評を築いたこと、そこに近年ビジョン・エクスプレスという絶対怖くない作品が集まる部門が新設され、現在はその部門のセレクションが特に素晴らしいという関連話が披露され、受講生の皆さんも三澤氏持参の分厚い本年度カタログを見ながら、BiFanのスケール感を掴んできた様子。

数ある特集の中で、今年三澤氏が一番満足したものが、香港の人気俳優、サイモン・ヤム主演作特集。今年の7月といえば、韓国ではMERS(マーズ)が広がっていた頃で、かつてSARS危機に襲われた香港では、韓国渡航を自粛するよう勧告していたそうですが、それにもかかわらずサイモン・ヤムは特集上映のためBiFanを訪れたそうです。ちなみに、今回のBiFanで三澤氏が出会った知り合いの日本人は暉峻PDだけだったとか。BiFanの魅力をご紹介いただいた今回の発表効果で、来年は日本人の来場者が増えているかもしれませんね。

ゼミナールの後半は、第10回OAFF総集編映像を見ながら、今年のOAFFを振り返りました。まずは、オープニングに先駆け、大阪・道頓堀で行われたリバーカーペットイベント「アジアン・スター・フェスティバル」から。暉峻PDは、「映画祭の課題は、建物の中で行われるため、一般市民に開催内容が全く知られないままであること。偶然歩いていた人にも映画祭のことを知ってもらうイベントをすることは意識しており、映画祭の一部分を外に持ち出すという意味で、リバーカーペットイベントは有意義だった」と振り返りました。

暉峻プログラミングディレクター

オープニング上映作品『白河夜船』若木信吾監督のエピソードや、第1回オーサカ Asia スター★アワード受賞者のチャン・シャオチュアン(張孝全)さんが今、さらにブレイクしているという話題。ほかに、この12月に劇場公開が決まった『リザとキツネと恋する死者たち』(映画祭上映タイトル:『牝狐リザ』)の話題や、香港ナイト上映作品選考秘話など、映像に合わせて暉峻PDから説明がなされました。ちなみにABC賞を受賞したハン・ハン監督の『いつか、また』は、来年の映画祭開幕直前の時期に放映予定です。今しばらくお待ちください。

大阪アジアン映画祭・連続ゼミナール第3回は、11月15日(日)大阪国際交流センターにて開催いたします(定員に達しましたため、新規の受講申し込み受け付けは締め切らせて頂きました)。