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  • 海外初上映

特別注視部門

ドア前に置いて。ベル押すな

Leave at Door, Bell X [문앞에 두고 벨X]

監督:イ・ジュヨン(이주영)

Director: LEE Joo-young|2022年|韓国|20分|言語:韓国語|字幕:日本語、英語

上映日 時 間 会 場 ゲスト登壇(予定)
3/12日 10:30《短編C》 大阪中之島美術館  
3/17金 10:30《短編C》 大阪中之島美術館  

※プログラム《短編C》『金曜、土曜、日曜』と併映

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出  演
ジウ(지우)
ヨム・ヘラン(염혜란)
リュ・ギョンス(류경수)
作品解説

主演映画『野球少女』『なまず』(OAFF2019)、そして大人気ドラマ「梨泰院クラス」で一気にブレイクした女優イ・ジュヨン。これまで多くのインディーズ作品に参加してきた彼女が、いよいよ監督業に乗り出したデビュー短編である。コロナ禍をきっかけに全世界的に需要が高まった出前代行サービス業をモチーフに、ある若い女性の「踏んだり蹴ったりな1日」を描く。

電動自転車を買い、デリバリーのバイトを始めたばかりの主人公ジホを演じるのは、2010年の『2階の悪党』で子役デビューした女優ジウ(監督よりも年下だが、女優歴は長い)。客のクレームには翻弄されるわ、突然の雨には降られるわ、真面目にやっているのに不運な目に遭いがちな若者を、等身大のリアリティをもって演じている。イ・ジュヨン自身が演じると持ち前の逞しさやバイタリティが出てしまうところだが、そこは監督として的確な配役と演出に徹しているところが冷静である。また、「梨泰院クラス」『ベイビー・ブローカー』で共演したリュ・ギョンスほか、人気バイプレイヤーたちが次々と顔を出すのも見どころだ。

懸命な努力が報われない社会の不条理を見つめる観察眼、賢明とは言えなくても手探りで現代を生きる若者世代へのシンパシーに、思わず「イ・ジュヨンらしい!」とじんわり感動を覚える一篇だ。[木浦孝]