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《芳泉短編賞》受賞

  • 日本初上映

特別注視部門

燕は南に飛ぶ

Swallow Flying to the South [燕南飛]

監督:リン・モーチ(林墨池)

Director: LIN Mochi|2022年|アメリカ、カナダ、中国|17分|言語:中国語|字幕:日本語、英語、中国語

上映日 時 間 会 場 ゲスト登壇(予定)
3/11土 13:00《短編D》 大阪中之島美術館  
3/16木 10:30《短編D》 大阪中之島美術館  

※プログラム《短編D》『騒動』『海の彼方 それから』『Shall We Love You?』『甘露』と併映

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作品解説

文化大革命が終わろうとしていた1976年。農村から北京に戻ってきた5歳のシャオイエンは全寮制の幼稚園に入れられていた。先生の笛が鳴ると、整列、トイレ、就寝、遊び……一斉に同じ行動をする子供たち。シャオイエンも必死に皆について同じ行動をしていたが、彼女の表情は常に暗くて辛そうだ。友達もおらず、ひたすら孤独な日々を送るシャオイエン。そして1976年9月9日、当時の最高指導者だった毛沢東が死去。弔問式で大人たちは泣いていたが、シャオイエンは……。

リン・モーチ監督の母親の体験を基に作られたストップモーションアニメ。まず、登場する人形たちの姿が印象的だ。頭部は平面的だが、体の部分は立体的で服も布地で作られている。人形の姿からリアルさは感じられないが、幼稚園の様子や、表情がなく機械的に動く子供たち、また、聞こえてくるニュースや物売りの声などからは、当時の雰囲気がリアルにそのまま伝わってくるようだ。

本作の制作はリン・モーチ監督がほとんど1人で行っている。現在はカナダ・モントリオールを拠点に活動している。[谷口弘枝]