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第8回大阪アジアン映画祭
開催レポート 3月17日(日)vol.1 梅田ガーデンシネマ/シネ・ヌーヴォ/『GF*BF』ファンミーティング

映画祭最終日

 

10日間にわたり開催してきました第8回大阪アジアン映画祭。最終日を迎えました。

本日も、上映作品は多く、かつ、CO2の授賞式や映画祭表彰式もあります。

バタバタしく過ぎ去った日々。ここまで来ると、寂しさを感じずにはいられません……、と感傷にひたるのは後、ですね。

 

 

 

 

梅田ガーデンシネマ

 

 

『セブン・サムシング』特集企画《GTHの7年ちょい》)が最終上映となり、(写真左から)パウィーン・プーリジットパンヤー監督、アディソーン・トリーシリカセーム監督、ジラ・マリクン監督が登壇されました。(「GTHと7年ちょい」トークセッションの様子はこちら

 

パウィーン・プーリジットパンヤー監督、アディソーン・トリーシリカセーム監督、ジラ・マリクン監督
パウィーン・プーリジットパンヤー監督アディソーン・トリーシリカセーム監督ジラ・マリクン監督

3部構成になっている本作。

 

1作目『14』の主演女優の方がとてもかわいらしいとの意見に関して、パウィーン・プーリジットパンヤー監督は「彼女は役柄とは違って大のSNSファンで、ありとあらゆるSNSを使いこなしています。」というエピソードが。

 

2作目『21/28』のアディソーン・トリーシリカセーム監督は主演男優のサニーさんについて、「6ヶ月前から16キロも体重を増やしてもらって、その後の6週間で痩せてもらいました。こんなに自由に体重を変化できるのは、暇な彼しかいない!」とユーモアたっぷりに語っていました。

 

3作目『42.195』のジラ・マリクン監督は、韓国の人気アイドルグループ2PMのニックンについて、「タイ人なのに色白で、汗をかくといい匂いがします」との発言で、会場のファンを沸かせました。また、「どうしてニックンを起用したのですか?」との質問に、「ニックンは普段映画の仕事を引き受けないのですが、彼がバンコクにいるときに密会して出演が決定しました」と終始笑顔で冗談も交えながら、ここだけの話が展開しました。

 

タイでは人は7年ごとに生まれ変わると言われていて、GTHも7周年記念でこの作品が生まれたそう。監督たちも「この7周年記念で生まれ変わって喧嘩せずに仲良くなります」だそう。

サイン会に移ってからも3人の監督たちはスター並みの人気で、多くの人の写真やサインの申し込みに優しく対応くださいました。


 

 

 

 

シネ・ヌーヴォ。

この日も、上映が5回あった、シネ・ヌーヴォ。最終日も、大賑わいでした。

 

 

 

『Fly Me to Minami~恋するミナミ』(コンペティション部門)には、リム・カーワイ監督、ペク・ソルアさん、製作総指揮の加藤順彦さんが登壇。客席はリム・カーワイ監督の最新作をいち早く見ようと駆けつけた映画ファンで満席でした!(前回の舞台挨拶の模様はこちら

 

加藤順彦プロデューサーペク・ソルアさんリム・カーワイ監督

シネ・ヌーヴォとは関係の長いリム・カーワイ監督(写真下)。製作総指揮の加藤順彦さん(上)ともこのシネ・ヌーヴォでお会いしたことがきっかけで今回の映画を製作したとのこと。

加藤順彦さんが、今回の映画の製作費用はフェイスブックやツイッターで募集したと明かし、企画が持ち上がった当時は尖閣諸島や竹島の領土問題で、隣国に対する敵対心がメディアでも湧き上がる中、シンガポールに住む彼自身が隣国に対する嫌悪感に対してとても違和感を抱いたのだそう。「リム監督ならこんな日本の状況を打破してくれる」と思い、共同で映画製作を持ちかけたのだとか。

 

「どんな現場でしたか?」という質問に対してペク・ソルアさん(中)は、「全てを包み込んでくれるようなミナミはあたたかい街でした」と。劇中でとても流暢に話していた日本語に対しては、実生活では日本語は全然分からないそうなのですが、懸命に勉強したそう。違和感がないかどうか心配でしたとのソルアさんの言葉に、「皆さんが全然なかった!」と答えていました。

 

ペク・ソルアさんをキャスティングした経緯について、昨年の本映画祭インディ・フォーラム部門で彼女が来日していたのがきっかけ、とのこと。映画祭がつないだ縁でもあるようで、嬉しいですね。

また、セリーン・ウォンさんとは、現在こそ香港在住だが、元々はリム・カーワイ監督と同じマレーシア人で、以前から知り合いだったと明かしました。

 

最後にリム・カーワイ監督が「皆さんはソルア派、セリーン派どちらですか?」と観客に手をあげさせる質問に観客からは笑いが起きており、ソルア派に多くの手が挙がっていました。


リム・カーワイ監督、ペ・ソルアさんリム・カーワイ監督、ペ・ソルアさんと、シネ・ヌーヴォスタッフ

シネ・ヌーヴォ玄関前にてリム・カーワイ監督、ペク・ソルアさん。

スタッフとも笑顔で記念撮影をしてくださいました。

 

 

 

 

『GF*BF』(特別招待作品部門)ファンミーティング開催!

 

「最初の挨拶を…」と求められて、「マイド!ワタシハ、ジョセフ・チャン デス…」と主演男優を騙りノリノリで始めるヤン・ヤーチェ監督に、場内は大爆笑のスタートしたファンミーティング。

 

ヤン・ヤーチェ監督

冒頭の制服のスカートを脱ぎ捨てるシーンについては、台湾で二年前に実際に起こった有名な学生運動で、2〜3千の学生が一斉にスカートを脱いだという背景を紹介し、「台湾は、外からはとても自由に見えるかもしれないけれど、実際には政府のマインドコントロール下にあり、抗議運動などへの押さえ込みも相当ひどい」と、イメージと実際のギャップについて語られました。自身が仕事外で行っている原発反対運動に関しても触れ、「デモを撮影して、短編の映像作品としてYouTubeにアップして、周知に務めている」ことも明かし、司会者から、「話題がディープ過ぎますね」と指摘されることも。

 

ヤン・ヤーチェ監督

キャスティングについての話題にうつると、グイ・ルンメイとジョセフ・チャンについては「脚本を書いてるときから、僕の脳内で演技をしてくれていた」とベタ褒め。多くの作品で“優しい女性”というイメージがあるグイ・ルンメイは、「実際は、すごく男勝りで、パンチも痛い!」と意外な一面があるとのこと。今作で彼女のキャリア初のベッドシーンを演じたことについては、「別に動じることなくやり遂げてくれましたよ。役者にとって、ラブシーンというのは、嬉しいものでも、ロマンティックなものでもないけれど、“仕事”としてプロに徹した彼女を尊敬します」とねぎらう場面も。また、ブライアン・チャンについては、「彼はすごく愛嬌があって可愛くて大好きだけど、実はちょっとおバカさんなんだよね。」と暴露。台詞を理解出来ないときは、オウムみたいに誰かの演技を真似したりするそうで、「そのシンプルな頭の構造と、素直さは素敵だけどね(笑)」とフォローをいれる一幕も。

 

ヤン・ヤーチェ監督ヤン・ヤーチェ監督

日本公開の段取りも進行中とのことだが、具体的な予定を聞かれると「僕の範疇じゃないからよく分からないけど、高く買ってくれるといいなぁ」と締めくくりました。

才能あふれる監督との時間に、集まった人たちも、惚れ直したのでは。素敵な時間をありがとうございました。

16日(土)の舞台挨拶の模様はこちら

16日(土)トークセッション「台湾映画の現在(いま)を語る」の模様はこちら