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第8回大阪アジアン映画祭
開催レポート 3月17日(日)クロージング・セレモニー

いよいよ感動のフィナーレ

グランプリはリー・シンマン監督の『親愛』(中国)へ!

 

3月8日(金)より、開催してきた「第8回大阪アジアン映画祭」も遂にクロージングへ。

上映のリー・ユー監督最新作『二重露光~Double Xposure~』の前に、クロージングセレモニーが行われ、グランプリをはじめとする各賞の発表が行われました。

国際審査委員の高橋陽一郎監督、ツァン・ツイシャン監督、ゾーイ・チェン金馬奨ディレクターが、夜中の12時から早朝3時まで熱い議論を交わした結果、今年は従来の賞に加え、「スペシャル・メンション」を授与することが決まったと冒頭に告げられ、いよいよ各賞の発表となりました。

 

 

まず観客の皆さんの支持を一番集めた観客賞は、パン・ホーチョン監督の『恋の紫煙2』(香港・中国)が受賞。監督の代理で登壇した香港政府観光局のフローレンス吉田さんは、「香港代表として、すばらしい賞をいただき、心より感謝しています。また皆さんぜひ香港に遊びに来てください」とコメント。

 

香港政府観光局のフローレンス吉田さん

 

 

次に朝日放送でオンエアされるABC賞は、ヤン・イーチェン監督・ジム・ワン監督の『ポーとミーのチャチャ』(台湾)が受賞。「思いがけず受賞できてうれしい。4日間素晴らしい滞在を作って下さった皆さんに感謝します」(写真左/ヤン・イーチェン監督)、「(日本語で)よかった!ありがとう大阪!ありがとうOsaka Asian Film Festival!」(写真右/ジェイムス・シウ・チアハオプロデューサー)。5月の金曜深夜に放映される予定です。

 

ヤン・イーチェン監督とジェイムス・シウ・チアハオプロデューサー

 

 

続いて今回は予定されていた賞とは別に、審査員の総意で映画『日本の悲劇』(小林政広監督)の主演・仲代達矢さんにスペシャル・メンションが授与されました。仲代さんの代理で登壇した小林監督は「仲代さんからもう一度、一緒にやろうと言われ、悩んで書いた作品。すごくのってやっていただいたので、喜んでいらっしゃると思います」

 

小林政広監督

 

 

そして来るべき才能賞には、『ポーとミーのチャチャ』の主演女優ホアン・ペイジアさん(台湾)が受賞。ABC賞に引き続き、ホアン・ペイジアさんの代理で登壇したヤン・イーチェン監督は「ペイジアさんが来場できず残念ですが、喜んでくれると思います」

 

ヤン・イーチェン監督

 

 

いよいよグランプリの発表。今年は長編デビュー作ながら、日中の歴史を個人史に反映させながら見事な母娘物語を綴ったリー・シンマン監督の『親愛』(中国)が受賞しました。

感動の面持ちで登壇したリー・シンマン監督は、「新人監督である私の処女作を大阪の皆さんと一番最初に楽しめてうれしかった。どの映画にもその宿命があり、この映画も企画から完成まで4年を費やしました。本当に苦労したけれど、その苦労は無駄ではなかったです。もっと努力してより良い映画を作っていきたい。本当にありがとうございます。忘れられない夜になりました」と喜びのコメント。

 

リー・シンマン監督

 

「日本に12年間いたので、日本語はしゃべれるのですが、本当にびっくりしました。ありがとうございました」(写真左/デビッド・ワン プロデューサー)、「日本も大阪も初めてです。受賞できるとは思っていませんでした。大阪の皆さん、映画祭の皆さん、本作のスタッフのみんな、ありがとう」(写真右/チェン・ジーチエン エグゼクティブプロデューサー)

 

(デビッド・ワンプロデューサーチェン・ジーチエン エグゼクティブプロデューサー

 

グランプリ受賞の模様はこちら

http://www.youtube.com/watch?v=jRejTGW29pg&feature=youtu.be

 

 

最後に、審査委員を代表してゾーイ・チェンさんから受賞理由についてコメントをいただきました。

 

ゾーイ・チェンさん

 

スペシャル・メンションの仲代達矢さんは、『日本の悲劇』で死ぬことを決意する父親役を、冒険心と知性溢れる圧倒的な存在感をもって演じられ、それが大変素晴らしかったです。

来るべき才能賞は『ポーとミーのチャチャ』主演のホアン・ペイジアさんに授与しました。初めて挑戦した一人二役の演技は、観客を引き込む大変自然なものでした。

グランプリは『親愛』に決定しました。これは大都会で働くシングルマザーが中国の現代社会のなかでキャリアと家庭の間で悩みながらも生きていく様子を描いたものです。そこに日中の歴史に関わる個人的なトラウマも絡ませ、独特の視点で描かれていました。それと同時に血縁関係を超えた家族愛を優しく、しかも強い力で描いた点が印象的だったということで選定いたしました。

 

その後、受賞者が揃ってフォトセッションが行われました。

劇場中があたたかなムードに包まれ、クロージングセレモニーは幕を閉じました。

 

ゾーイ・チェンさん

 

 

引き続き、クロージング作品『二重露光~Double Xposure~』の上映へ。

リー・ユー監督より届いたビデオレターがスクリーンに映し出されました。

 

リー・ユー監督より届いたビデオレターの上映

 

来場が叶わなかったものの大阪アジアン映画祭にクロージング作品として選出されたことへの感謝と、中国でも興行収入15億円のヒットとなった本作について「現代中国を背景に、お金や経済ばかり追い求めて心をおざなりにした結果起こる悲劇を描いています」と語り、次の機会にはぜひ直接交流して作品への感想を聞きたいと、熱いメッセージを寄せてくださいました。