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第8回大阪アジアン映画祭
開催レポート 3月9日(土)

映画祭2日目

 

大阪は、20度を超える暖かな土曜日。梅田ブルク7、シネ・ヌーヴォで全11本が上映されました。

 

 

 

 

シネ・ヌーヴォ外観

こちらがシネ・ヌーヴォ。
このアーティスティックな外観(劇場内もアートしてます)にたどり着くだけで、ドキドキしちゃいます。

 

 

シネ・ヌーヴォでは、《日本映画人のニュー・フロンティア》より『春くんの密月』の赤塚難監督、『青の光線』の西原孝至監督が登場。300本もの応募の中から選ばれた4作品のうち、今日は2作品が世界初上映されました。観客の皆さんは、貴重な瞬間にたちあったというものです。

赤塚難監督 赤塚難監督

「一般の方、そして劇場という場所で上映されるのが初めてで…」と緊張気味の『春くんの密月』の赤塚難監督。
ある歳までくると女性誰もが感ずる感情を、言葉ではない映像に置き換え、表現している本作。女性が見ると、語りたくなる1作かもしれません。

 

初の長編となる本作は、監督にとって子役の演出、屋外で撮影と挑戦ずくしだったとか。映画の中でキーアイテムともなる「メロン」が苦手であることを告白。「劇中、おいしそうに食べている主演の三坂さんも苦手なんです」とも。

次回上映は11日(月)です。『春くんの密月』

 

 

西原孝至監督

同じく初めての一般上映となった『青の光線』の西原孝至監督。上映前の挨拶こそ、少しかためでしたが、上映後のQ&Aでは淡々した語り口ではあるものの話しが膨らみました。タイトルについて、「“緑の光線”のパクリと言ってしまえばそれまでなんですが(笑)、何となくごろが、いいなと思ったのと、僕にとって青=青春なので」と。
監督次回作の準備も進んでいる模様。期待も膨らみます。

次回上映は15日(金)です。『青の光線』


 

 

 

 

この日、梅田ブルク7では、完売していた『BBS住人の正義』(コンペティション部門)から上映スタート。1日通して作品を鑑賞する、というお客様も見受けられ、会場も大賑わいとなりました。

 

本日、最初のゲスト登壇は『カラ・キング』(コンペティション部門)を世界初上映!から。強烈キャラの登場人物たちが楽しく、観終わって体がうずうず踊りだしたくなるような作品。Namewee監督は今年もみせてくれました!

Namewee監督(中央)、プロデューサーのフレッド・チョン氏(左)、俳優のクリストファー・ダウンズ氏(右)

上映後には、Namewee監督(中央)、プロデューサーのフレッド・チョン氏(左)、俳優のクリストファー・ダウンズ氏(右)が登壇。

Namewee監督 俳優のクリストファー・ダウンズ氏

主人公の父を演じた香港ベテランコメディー俳優、ン・マンタ氏起用の理由について、「ン・マンタさんのような父親を演じる俳優を探していたが、本人に念のため打診したら、出演してくださることになりました」Namewee監督スゴイ!

 

本作で日本語のセリフを披露したクリストファー・ダウンズ氏(右)は「監督から、『何でもいいから日本語を話して!』と言われて、日本人がよく言っている『すごいね~』を使いました。意味は知らないけれどね」とおどけ、会場は思わず大爆笑。

 

次回上映は14日(木)梅田ブルク7にて。『カラ・キング』

Namewee監督とクリストファー・ダウンズ氏はオープニング・セレモニーにも登場。その様子はこちら

 

 

脚本のエカテリーナ・ティルダトヴァ氏 『誰もいない家』

本映画祭初となるキルギス映画『誰もいない家』(コンペティション部門)が日本初上映。主人公の少女アセルが直面していく危機もたくましく乗り越えていく様を描く壮絶なロードムービー。でも、その結末が…。

 

脚本のエカテリーナ・ティルダトヴァ氏が舞台挨拶で登壇。「こういう映画はなかなかみなさんに観ていただく機会がないので、今日はとてもうれしいです。この映画のテーマは心の中が空っぽになってしまった人、魂をなくしてしまった人です。こういった人たちはどれだけ新しい居場所を求めて旅をしても、自分の家となる場所、落ち着く場所がないのです。」と挨拶。

 

なるほど!まさに映画のキモをズバリ表現。決して少女が一人の大人の女性になっていく……なんていう、王道な青春物語じゃないないからこそ、後にひく一作なのでした。

 

次回上映は16日(土)梅田ブルク7にて。
『誰もいない家』