映画祭6日目
午後から降り出した雨は意外に厳しく。明日から、また少し寒くなるとか……
海外からのゲストの皆さんが体調崩されないか心配です。
さて、今日からプラネット・スタジオ・プラス・ワンでも上映開始。 合計12本の作品が上映されました。
梅田ブルク7では、暉峻プログラミングディレクターが「『レ・ミゼラブル』より100倍おもしろい!」と絶賛した注目のフィリピンミュージカル『アイ・ドゥ・ビドゥビドゥ』(コンペティション部門)が登場!初めて聴くのにどこか懐かしく…そんな楽曲にのせ、時にロマンチックに、時にコミカルに展開するカラフルでハッピーな一作。
上映後のQ&Aに、空港から直行でクリス・マルティネス監督が駆けつけてくださいました。
『100』(OAFF2009)以来となるOAFF来場に喜びの表情を見せたクリス・マルティネス監督は、本作で全編に渡ってアレンジして使用されているAPO Hiking Societyについて「40年間何世代にも渡ってリメイクされながら受け継がれているフィリピンの“ビートルズ”。この映画はまさにフィリピンのサウンドトラック」と紹介。
この作品は、『100』や『浄化槽の貴婦人』(OAFF2012)が海外の映画祭を意識したインディペント作品だったのに対し、国内TV局がプロデュースした国内映画ファン向けの作品だったそう。「外国の映画祭には初出品。いろいろな国の方に受け入れてもらえるということは、本作に普遍性があるということ。これからも挑戦していきたい」と新たな抱負を語ってくれました。
大阪在住のフィリピンの方も多数来場し、Q&Aで喜びのメッセージをおくるなど、映画同様心あたたまる時間となりました。
次回上映は15日、20:40〜。クリス・マルティネス監督に加え、主演のユージン・ドミンゴさんも来場予定。これは見逃せませんよ!
シネ・ヌーヴォでは、6作品が上映。予定になかった監督の来場、など嬉しいサプライズもありました。
サプライズ。それが『はなればなれに』(特集企画《日本映画人のニュー・フロンティア》)の下手大輔監督の登壇でした。
上映時間100分から今回の85分になってどう変わったか?という質問に対し、「100分の上映後、見た方に感想を聞く機会があったが、伝えたい事が思ったよりキャッチされていない、と感じたためより丁寧に、伝えたいことが多すぎにならないように編集した」とのこと。
タイトルについては「ゴダールのオマージュです。」ときっぱり。まだ、他にもいろいろな監督へのオマージュが散りばめられているようです。「街からいろんなものをかすめ取って走っていくシーンがとてもよかった」など感想も上々。
次回上映は15日。予定通り、下手大輔監督来場です。
続いてのゲスト来場は、『桜並木の満開の下に』(特別招待作品部門)の舩橋淳監督。
ドキュメンタリー作品『フタバから遠く離れて』で、高い評価を得た監督の描く、フィクションです。
「“震災復興”というものがバックにはあるけど、本来のテーマ“許す”ということ。人びとは憎しみ合う時代。“人間のこころ”を描きたかった。」と監督。近年、世界が混沌としている中、釜山国際映画祭、ベルリン国際映画祭などでも上映された本作は、人の心、内面を描く作品として高い評判を得たとのこと。「世界でも、こういった内容、テーマのものが求められているのかもしれないですね。」
本作は、4月13日全国ロードショー予定。『桜並木の満開の下に』
10日に続き2度目の上映となった『戦争と一人の女』(特別招待作品部門)。
今日は、企画・統括プロデューサーの寺脇研氏が登壇されました。企画・統括プロデューサー=自分が観たいものをつくるために、すべてを調整した役回り、とのこと。
永瀬正敏さんや村上淳さんらの演技に圧倒される本作だが、演者さんの方から、脚本を読んで是非参加を、との意向を受けたとのこと。「脚本の吸引力があったんでしょうねぇ」 また、「低予算の作品だが、美術の磯見俊裕氏が、予算以上のすばらしいセットをつくってくれた」とプロデューサーならではの目線で語る場面も。
テレビでは発言できない言葉や性描写などをも通し、仕上がった「観たいもの」は、観客にどう受け止められたのでしょう。
本作は、GW劇場公開予定。見逃された方は、是非また劇場で。
《インディ・フォーラム部門》は、今日からプラネット・スタジオ・プラス・ワンでの上映開始。第41回ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード受賞作の『卵と石』からスタートしました。
続いての『壁の中の子供達』は、開場前に雨が振り出し足元の悪い中、満席に!上映後、野口雄也監督がQ&Aに登場されました。
今回監督したCO2助成作品『壁の中の子供達』の原作は、7年前に執筆した自身の小説「KLON」。元々、映画製作を念頭に脚本を書いていたものだそう。それでも「思い描いていた期間で築き上げたイメージと完成した作品のイメージは正直なところ違っていた。けれど、沢山の人の協力を得てできた制作過程の醍醐味を味わうことができた。」と。
本作品のキーワードになる「壁」のロケ地探しでは、なかなか見つからず刑務所の壁巡りをしていた中、CO2インターン生との交流の場(コネクト・フォーラム)にて得た助言により見つかったそう。監督は終始、「関わってくれた人達に感謝の気持ちでいっぱい」の念を表現していらっしゃいました。
第七藝術劇場では、CO2助成作品『GET BACK NIGHT』(インディ・フォーラム部門)が登場。
舞台挨拶で登壇した東京在住の山田剛志監督(上)は 「大阪で映画を制作し上映するというのは1つのチャレンジでしたが、こうして皆さんのまえで上映することが出来て嬉しいです」と感激の面持ちで語りました。
映画出演の経験があまりないという主演の伊藤綾子さん(中)は「現場では緊張したり不安になることが多かったんですが、周りの人に支えられてやり通すことができました。みんなで寒さと時間と闘いながら作り上げた作品」と撮影の過酷さを紹介しました。
「監督がちょっと変な人でこの映画もちょっと変だと思います。変なところを楽しんでいただけたら」という主演の花島寿美子さん(下)の率直なコメントに会場から笑いが。
『GET BACK NIGHT』は過去の事故で足に障害を負った女性を巡って、過去のいじめのトラウマから女性に暴力を振るうしか出来ない男と、相手を束縛することでしか愛情を量ることが出来ない男のいびつで純粋な姿を描いた作品。
次回上映は15日、16日の2回。監督自らも認める“変な”映画、どう変なのかをぜひ劇場でお確かめください。
CO2助成作品『壁の中の子供達』の野田雄也監督(右)も合流してパチリ
『貧しき人々』
(C)Seashore Image Productions
続く、20:30から上映されたのは、海外インディペンデント作品でミディ・ジー監督『貧しき人々』。タイ北部、ミャンマー国境近くの村を舞台にした、タイトルと逆にドリアンの匂い、色彩、風景、会話、紛争と貧困が日常にある生活の描写、全てが“豊かな”映画。
次回上映は15日、16日の2回。16日(土)は主演・プロデューサーのワン・シンホンさんのQ&Aを予定。お見逃しなく。
また、17日13:55〜行われるトーク・セッション「アジアン・ミーティング2013」(入場無料)に、ワン・シンホンさんも登壇。こちらもご注目ください。
- 開催日
- 3月17日(日)vol.1
『GF*BF』(特別招待作品部門)ファンミーティング - 3月17日(日)vol.2
トークセッション「アジアン・ミーティング2013」
インディ・フォーラム部門 CO2授賞式 - 3月17日(日)
クロージング・セレモニー - 3月16日(土)vol.1
- 3月16日(土)vol.2
- 3月16日(土)
トークセッション「台湾映画の現在(いま)を語る」
「インディペンデント映画とCO2の未来図」 - 3月15日(金)vol.1
- 3月15日(金)vol.2
- 3月15日(金)
特別シンポジウム「旅人が見る世界」
トークセッション「GTHの7年とちょい話」
交流イベント ウエルカム・パーティ - 3月14日(木)
Hong Kong Night - 3月13日(水)
- 3月12日(火)
- 3月11日(月)
- 3月10日(日)
- 3月9日(土)
- 3月8日(金)
オープニング・セレモニー - 3月4日(月)5日(火)
プレオープニング
特別上映『セデック・バレ 太陽旗』
試写会『だいじょうぶ3組』 - 3月3日(日)
おおさかシネマフェスティバル