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《ABC賞》受賞

  • 日本初上映

コンペティション部門|TAIWAN NIGHT|特集企画《台湾:電影ルネッサンス2018》

私を月に連れてって

Take Me To the Moon [帯我去月球]

監督:シェ・チュンイー(謝駿毅)

Director: HSIEH Chun-Yi|2017年|台湾|105分

Take Me To the Moon
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出  演
ジャスパー・リュウ (劉以豪)
ビビアン・ソン(宋芸樺)
作品解説

夏の日の台北。高校時代にバンド“月球幫”を結成していた5人の同級生は、自ら命を絶ったヴォーカリスト・李恩佩の葬儀で再会した。その帰り道、謎めいた花売りの老婆の誘いか、あるいは運命の悪戯か、汪正翔は1997年にタイムスリップしてしまう。それは高校卒業の3日前。張雨生の歌声が街に流れる、恩佩の運命を決めたあの日…。

1997年11月12日、自動車事故がきっかけとなってこの世を去った台湾の伝説的ミュージシャン=張雨生。彼をモチーフに馮勃棣が書き下ろしたオリジナル脚本『雨生台北』を改編した本作は、『あの頃、君を追いかけた』( 2011) の大ヒット以降、台湾映画の主流となった青春回顧路線に連なる1本。作品のクォリティと若手俳優の充実ぶりに、このジャンルでの台湾映画のレベルの高さを再認識せずにはいられない。同時に、SFファンタジーと歌が重要な要素となる点においては、各国でリメイクされている韓国の『怪しい彼女』(2014) や、OAFF2017で上映されたマレーシアの『敗け犬の大いなる煩悩』(2017) と同じ地平に、この作品は立っているといっていいだろう。汎アジア映画圏の才能は、今日も連鎖を続けている。

小室哲哉と張雨生が最も輝いていた年月に青春時代を過ごした人ならば、涙なしには見られない作品。『私の少女時代 -Our Times-』のビビアン・ソン主演。監督は、デビュー作『ロマンス狂想曲』で圧倒的な評価を手中にしたシェ・チュンイー。