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ミカイル・レッド監督《来るべき才能賞》受賞

  • 日本初上映

コンペティション部門|特集企画《祝フィリピン・シネマ100年》

ネオマニラ

NEOMANILA

監督:ミカイル・レッド

Director: Mikhail RED|2017年|フィリピン|101分

NEOMANILA
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出  演
ユーラ・バルデス
ティモシー・カスティーリョ
ロッキー・サルンビデス
ジェス・メンドーサ
アンジェリ・バヤニ
作品解説

『レコーダー 目撃者』(2014) で若干23歳にして注目を集め、『バードショット』(2016・ OAFF2017上映) で東京国際映画祭で受賞を果たした、ミカイル・レッド監督の第3作。ストリート・チルドレンのトトは、兄が麻薬密売仲間の裏切りで逮捕され、保釈金を用立てねばならないおりに、警察に追われたイルマを助ける。誘われるまま闇の仕事に関わるうちに、彼女に母親のような安らぎを覚えるが…。

クライム・スリラー仕立てで、底辺に生きる厳しさと、かけがえのない愛情にすがる姿を描いた衝撃の一篇。麻薬常習者への超法規的殺人を認める、現代フィリピンを背景にしたシビアな作品で(容疑者を含め、その死者は1万人以上ともいわれる)、暗殺に手を染めるイルマの、奥底に秘めた衝動が噴出する後半が痛ましい。映画ならではの語り口を探求しつつ、社会の悲惨を問うところに、豊かな才能が刻印され、麻薬戦争下にあるとは思えない大都市の、美しい夜景に目を奪われる。若手演技派と30年来のキャリアを誇る実力派女優の共演にも、注目されたい。ユーラ・バルデスは『パキ』にも出演。2018年ロッテルダム国際映画祭入選作品。