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  • 日本初上映

コンペティション部門

トラの旦那

Tora's Husband

監督:リマ・ダス

Director: Rima DAS|2022年|インド|135分|言語:アッサム語|字幕:日本語、英語

上映日 時 間 会 場 ゲスト登壇(予定)
3/16木 18:15 シネ・リーブル梅田4  
3/18土 18:50 ABCホール  
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出  演
アビジット・ダス
タラリ・カリタ・ダス
ブーマン・バールガヴ・ダス
プルバンチャリ・ダス
シマンタ・マラカール
作品解説

アッサムの小さな町でレストランを営むジャーンは誠実な男だ。世界的なパンデミックが襲ったとき、彼は守るべきビジネス、妻子、親、従業員、コミュニティーを抱え、なんとか日々の生活を回していこうと必死に奮闘するが、大きな責任、ままならない現実、プレッシャーに疲れ果てて、酒でストレスを発散するようになる。ジャーンの妻トラは、そんな夫に不満を抱き、パンデミックが身近に迫ってくる不安感のなか、イライラを募らせていく。

新型コロナウイルスを題材にした映画はいくつも撮られたが、この作品はコロナ禍のアッサムの町をありのままに近い形で観客の前に差し出している。ダス監督は第1回目のロックダウンが明けてすぐにアッサムで撮影を開始した。それから2年以上の間、スタッフも役者も常に不安と恐怖を抱えながらの撮影だったと言う。その緊張感、閉塞感はスクリーン越しにも伝わってくる。そして撮影に入ってすぐに父を亡くしたダス監督の喪失感も、コロナで人々が経験した喪失感と相まって作品に影響を与えている。

リマ・ダス監督は『ブルブルは歌える』でOAFF2019スペシャル・メンションを受賞した。脚本、監督、撮影、編集を1人でこなすスタイルは今回も変わっていない。そして役者たちの自然さに、観客は演技であることを忘れて引き込まれるだろう。本作はトロント国際映画祭で世界初上映された。[内海千広]