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《グランプリ(最優秀作品賞)》受賞

  • 日本初上映

コンペティション部門

なまず

Maggie

監督:イ・オクソプ

Director: YI Ok-seop|2018年|韓国|88分

なまず
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出  演
イ・ジュヨン
ムン・ソリ
ク・ギョファン
作品解説

イ・オクソプ監督の長編第一作。病院で性行為を撮ったレントゲン写真が出回り、犯人探しが始まる。若い看護師(イ・ジュヨン)は副医院長(ムン・ソリ)に疑われるも辞職は拒む。一方、同棲する恋人(ク・ギョファン。彼はイ監督の公私にわたるパートナー)とのあいだに微妙な猜疑心が芽生え始め、やがてそれが大きな溝となっていくのだった。

物語は看護師と副医院長、看護師と恋人をめぐる二つのストーリーが因果関係の乏しいシーンで紡がれ、ナンセンスな不条理劇に似るが、その分裂した世界の不安定さを水槽の鯰の俯瞰的な語りによって統一する構造をとる(鯰の声は『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』や『哭声/コクソン』のチョン・ウヒ)。

主演のイ・ジュヨンは張律(チャン・リュル)監督の『春の夢』(2016)でヒロインに思いを寄せるボーイッシュな少女を演じていた。本作では抑えた低い声で「穴に落ちた時に大切なのは掘り進むのではなく、穴から出ることだ」というテーゼにふさわしく冷静な演技を披露している。名脇役のミョン・ゲナムや『息もできない』のキム・コッピらが患者役で登場するのも楽しい。