

映画祭8日目
今日から、梅田ガーデンシネマでも上映が始まり、15本もの作品が上映されました。
コンペティション部門にノミネートされている作品の監督たちも続々来阪。
終盤にさしかかってきました大阪アジアン映画祭。まだまだ注目作の上映が続きます。
梅田ブルク7


《GTHの7年ちょい》の特集作品のうち、最新作である『ATM エラー』(コンペティション部門)の上映がありました。とても軽快で、どんどん話が転がって行く痛快コメディー。でも、ラストはとってもロマンティックなこの作品。登場されたメート・タラートン監督は想像以上にお若くてハンサムで、お客様からは“俳優みたい”というお声もあったほど。
個性的なキャラクターが多く、思わず吹き出してしまうような喜劇要素も多い本作。特に入れ歯の浸け水を飲んでしまうシーンは、お客様から悲鳴に似た声も上がりました。すると監督は、「おじいちゃんと住んでたので、飲みそうになった事は何度もありますよ。実際に飲んだことはないですけど、もしも飲んでしまったら面白いなって思ってたんです。脚本はアマラポーン・ペンディントーンと僕との2人で書いてるんですが、主にお笑いの部分は僕の体験に基づくエピソードが多いですね。」と。
また、今回は“社内恋愛禁止”の銀行に勤めるカップルという設定。「タイではそういう規約の会社が多いんですか?」の質問に、「タイが……という事ではなく、銀行はどこも禁止なんです。リサーチによると、日本の銀行もそうだと聞いたので、日系の銀行という設定にしました。」そうなんですか……。 今後は「ラブコメが得意なんで、これからはラブコメ中心に撮って行きたいですね。」とのこと。次回作も楽しみです。


続く『イスタンブールに来ちゃったの』(コンペティション部門)は、21時半からの遅い時間の上映でありながらたくさんのお客様が駆けつけ、バーナード・チョウリー監督、リナ・タンプロデューサーの登場に会場もわきました。
「これまでの僕の作品は、全てマレーシア国内で撮影していたんですが、今回はプロデューサーが、“海外ロケで恋愛ものをしたら?”と言ってくれて、じゃぁどこにしよう…と調べていたら、イスタンブールへの飛行機代が安かったんです。とりあえず休暇で行ってみようということになって、脚本家とプロデューサーの3人で訪れたらいっぺんに気に入ってしまって…。普通のプロデューサーは、予算のかかる海外より、国内で撮ろうって言うもんなんですけどね(笑)」とまさに“行っちゃったの”なエピソードを展開。
「予算的なことはことはあんまり気になりませんでしたね。私いい加減なんで、まぁ、スポンサーが現れるわよと楽観的に考えてました。マレーシアで撮るとどうしても地元感が強くなりすぎるので、それよりも海外で恋愛というロマンティックさが必要だと思ったんです。」リナ・タン プロデューサーさんらしい、映画制作の取り組み方が垣間見れたお話でした。
また、出演の3人について「ヒロイン役のリサ・スリハニは、今や有名ですが、僕の二作目『Goodbye boy』に出てもらったのがキャリアの始まり。最近のマレーシアは、ちょっと変わってて、タレントや役者の人気の尺度が、Facebookのいいね!で計られるんですけど、彼女のFacebookは、200万いいねを超えてるんですよ!
マレーシアは、女優より男性の役者探しが大変な国なんですけど、今回同居人役だったベト・クサイリーは、キャリアは長く、主役級に扱われたことがなくて、それを僕がプッシュしました。彼氏役のトモは、「100万分の1のスター」という番組で出て来たポップスターで、役者経験は初めてです。」
作品を気に入った観客からは、「監督の過去作を見てみたいんですが、DVDは売っていますか?」の質問で、「マレーシア、ブルネイ、シンガポールでしか公開されていないので、もし欲しかったら僕からお渡ししますよ。あ!ただ、インターネットで映画をダウンロードするっていうのは皆さんくれぐれもやめてくださいね!!(笑)」
場内から「私も欲しーい」と声が上がりました!
23時半を回り、お客様には急いで帰らなければならない状況になってしまいましたが、終電間際まで楽しいトークが尽きませんでした。
梅田ガーデンシネマでもいよいよ上映がスタートしました。

最初はうり二つの双子高校生女子の青春を瑞々しく綴る『ポーとミーのチャチャ』(コンペティション部門)。
親以外誰も見分けがつかないぐらい、なんでも同じに見えるポーとミー。すべてを共有してきた二人が、それぞれ一人の人間として成長しようと葛藤する、そして甘酸っぱい青春物語。


上映後、ヤン・イーチェン監督(左)とプロデューサーのジェイムス・シウ・チアハオ氏(右)が登壇。お二人は高雄高校の同級生で、ヤン・イーチェン監督は「10年ぶりの来日で、処女作を持ってくることができてうれしい」と挨拶。実は監督ご自身も双子で、この作品の90%は実体験によるものだとか。
一人二役を熱演のホアン・ペイジアさん起用については、バスケットボールのシーンがあるので体力がある人が必要だったそうで、ダンス科のワンさんに白羽の矢が立ったそうです。確かに、バスケットのシーンは、見事な身のこなしで爽快でした。
16日(土)トークセッション「台湾映画の現在(いま)を語る」の模様はこちら





続いて、ほろ苦いボーイズ青春ストーリー『1999,面会~サンシャイン・ボーイズ』(特別招待作品部門)が上映されました。
兵役中の友達に会いにいくロードムービー。20歳前後の男三人の会話はバカバカしく笑える中にも、それぞれ昔とは違う場所にいる自分に気づかされます。男たちを虜にするキム・コッピの色っぽさにもハッとさせられました。
上映後、キム・テゴン監督(上)と主演キム・チャンファンさん(中)が登壇。1999年を舞台にした理由を聞かれ、監督自身が1999年に20歳で兵役についていたと、自身の体験を元にしたことを明かし、「韓国が経済的に大変で、若い人の鬱屈したエネルギーが溜まっていた時代。帽子に刺繍を入れて先輩に叱られたり、喫茶ソウルでおばちゃんがビール瓶を豪快に片づけるエピソードは実話です」と語ってくれました。
当時の監督自身を投影した役を演じたキム・チャンファンさんは「特に難しくはなかった。自分と近い役柄で軍隊経験も役に立ちました」確かに、キム・チャンファンさんものすごく姿勢が良かったです!
上映後のサイン会では、監督からポストカードのプレゼントもあり、映画ともども観客のみなさんに楽しんでいただけたようです。


この日の最終上映だった『低俗喜劇』(特別招待作品部門)。
当初は予定されていなかった上映後のトークに脚本のジョディ・ロッ・イーサムさんと出演のダダ・チャンさんが登場。
遅い時間ではありましたが、観客の皆さんには嬉しい時間となったようです。
ここでも、スラング満載(!)の本作の脚本が女性であることに驚きの感想がでて、ジョディさんは、自らのエピソードを語ってくれました。(14日のコメントはこちら)
またダダ・チャンさんは、今回の映画がパン・ホーチョン監督の作品であることと、“パチパチ飴”役(!)であることしか知らず、このお仕事を受けたそう。それでも現場がとても楽しかった、とのこと。
また、ダダさんへのパン・ホーチョン監督やチャップマン・トー氏からのいたずらが流行っていた、という話しも飛び出し、現場の空気の楽しさが伝わってきました。(写真提供:アジアンパラダイス)
ジョディ・ロッ・イーサムさんとダダ・チャンさんは、滞在中、取材にも多く時間をさいてくださいました。
そこでも貴重な話が飛びしているんですよ。気になるでしょう!?

- 開催日
- 3月17日(日)vol.1
『GF*BF』(特別招待作品部門)ファンミーティング - 3月17日(日)vol.2
トークセッション「アジアン・ミーティング2013」
インディ・フォーラム部門 CO2授賞式 - 3月17日(日)
クロージング・セレモニー - 3月16日(土)vol.1
- 3月16日(土)vol.2
- 3月16日(土)
トークセッション「台湾映画の現在(いま)を語る」
「インディペンデント映画とCO2の未来図」 - 3月15日(金)vol.1
- 3月15日(金)vol.2
- 3月15日(金)
特別シンポジウム「旅人が見る世界」
トークセッション「GTHの7年とちょい話」
交流イベント ウエルカム・パーティ - 3月14日(木)
Hong Kong Night - 3月13日(水)
- 3月12日(火)
- 3月11日(月)
- 3月10日(日)
- 3月9日(土)
- 3月8日(金)
オープニング・セレモニー - 3月4日(月)5日(火)
プレオープニング
特別上映『セデック・バレ 太陽旗』
試写会『だいじょうぶ3組』 - 3月3日(日)
おおさかシネマフェスティバル