第七藝術劇場
『こども映画ワークショップ』(インディ・フォーラム部門)
カメラを一切動かさずに動きだけでお話を伝える1分間映画に17人の子供達が挑戦。その作品とメイキング風景をまとめたものです。廃校になった小学校で撮影されました。
12人の子供監督達が堂々の舞台挨拶!
10歳の尾崎さんは『警察官』を監督。
「難しかったけど楽しかったです」
「1分間は意外と長かったです」。
11歳の山根さんは『手錠』を監督。
13歳の土橋さんは『鬼ごっこ』を監督。
「初めて監督をして難しかったです」
12歳の森田くんは『財布』を監督。
17人の中から未来の映画監督が誕生するかもしれません。
トークセッション「アジアン・ミーティング2013」
インディ・フォーラム部門トークセッション第二弾として「アジアン・ミーティング2013」を開催。
リム・カーワイ監督を司会にインディ・フォーラム部門の海外作品の監督・プロデューサーが“越境”をテーマに意見を交換しました。
韓国のインディペンデント映画は国の制作助成があり検閲もなく作りやすい状況だが、公開の場を見つけるのが難しいと語るキム・ペクジュン監督。“越境”については、
「『離ればなれの』では中国のヨンビョンから韓国に渡ってきた朝鮮族の姉弟を主人公にしています。ヨンビョンに住む方々が韓国に渡って来るようになったのが15年ほど前。他には北朝鮮から来る方々がいて、韓国では脱国という言葉は使いたくないので転郷されると言っています。それ以外に東南アジアやロシアから出稼ぎに来た方々もいます。4、5年前からこういった方々を取り扱った映画が年に何本かあり、メジャー映画では『哀しき獣』(ナ・ホンジン監督)があります」
『卵と石』のホアン・ジー監督は夫でプロデューサー兼撮影監督の大塚竜治さんと作品を製作。中国ではインディペンデントの映画祭がいくつかあったが、主催者が中国に戻れなくなったり様々な原因により現在は全部開催不可になり、今回大阪アジアン映画祭で公開されることが嬉しいとコメント。
“越境”については「『卵と石』は若い女性が暴行されたことがテーマで、ニュースでは毎日こういったことが報じられます。報道者と当事者とでは捉え方が違いますが、これが1つの社会です。国境や地域の境ではなく“人の気持ち”の境。人と人は隣に座っていても間に見えない線があるかもしれない。私の先輩のジャ・ジャンクーは主に社会の視点から人を撮っていますが、私は個人の視点から社会をどう見るかが重要と思っています」
『貧しき人々』の主演・プロデューサーのワン・シンホンさんはミャンマー人で台湾在住。映画製作の現状について、「台湾にいるミャンマー人でインディペンデント映画の製作者は私と監督のミディ・ジーだけです。台湾で映画製作をするのは自由。軍事政権だったミャンマーでは映画を作るのが難しく、政府への抗議のドキュメンタリーが主でした。2011年以降民主化に向かって進んでいるので、映画製作にいい状況になるのではと思います」。
“越境”については「私にとって国境は“生存”の境だと思います。『貧しき人々』の中でミャンマーの人々はタイに密出国して生存のために苦労しています。現地で発生した事件を元に作った映画で、登場人物たちの心理的な境は世界中の皆さまも同じくあるものだと思います。境を乗り越えて理解していかねばと思います」
Q&Aでは助成作品『GET BACK NIGHT』主演の三浦英さんから「海外の映画に出演するにはどうすればいいか」という質問が挙がり、ゲストからユーモアを交えた回答が。
ホアン・ジー監督は「今一番中国で必要なのは抗日ドラマの日本人役(笑)。大塚さんも今日本と中国を舞台にした映画を企画中なのでよくゴマをすってください(笑)」。
キム・ペクジュン監督からは「実際メジャーでもインディペンでも外国人が入ることは少ないので具体的なことは言えないが、昼間は語学の勉強、晩は関係の方々と一緒にひたすら飲む(笑)。頑張れば道は開けるでしょう」。
ワン・シンホンさんからは「これから日本人が出演する機会は増えると思います。今製作している作品で言うと、かなり危ない内容なので私達が逮捕されるのはいいけど、巻き込まれたら大変です。よくお考えの上アピールしてください(笑)」と忠告がありました。
司会のリム・カーワイ監督(写真下)は「日本人はあまり外国人監督にアピールしないので、勇敢な日本人が現れて嬉しい(笑)」とコメントしました。
CO2授賞式
15:40より、本年度のCO2授賞式がとり行われました。
審査委員長の万田邦敏監督から『CO2作品賞』並びに『CO2俳優賞』は該当なしの結果が発表され、3作品に対して厳しい激励のコメントが送られました。詳細はこちら
「監督とスタッフの皆さんは力が足りなかったことを反省材料にして持ち帰っていただきたい。映画は作って失敗しての繰り返し。次の映画のステップにしていただければ」
審査委員長の万田邦敏監督
『Panasonic技術賞』は『壁の中の子供達』の撮影・高木風太さんが受賞。
選考委員の那須さんからは「CO2の作品にたくさん参加し、インディーズからプロのカメラマンとしての道を歩み始めた高木さんのCO2への貢献と、作り手の育成という流れを繋いでいけるように期待して」とコメントしました。
『CO2選考委員特別賞』は『壁の中の子供達』。
審査委員の向井康介さんから「撮影の功績が大きいが、3作品の中ではSF的発想でお客さんを意識して作られた作品」とのコメント送られました。
野口雄也監督は「俳優、スタッフ、河内長野市の方々の協力を得て作った映画。みんなで分かち合いたい」と受賞の喜びを語りました。(前回の舞台挨拶の模様はこちら )
野口雄也監督 『壁の中の子供達』
その後、第七藝術劇場の最終回に本編が上映されました。
『卵と石』のQ&Aには、監督のホアン・ジーさんと夫でプロデューサー兼撮影監督の大塚竜治さんが愛娘を抱いて登場。
ホアン・ジー監督自身の体験に基づいて製作されたことについて大塚竜治さんは「彼女の最初の長編で、脚本を見た時にリアルなシーンがあり、そこに焦点を絞って掘り下げた方がよいのではと問いかけたところ、実は自分の体験だと聞かされました。」
北京電影学院で知り合ったというお二人。ホアン・ジー監督は、「大塚さんが撮ったドキュメンタリーを観て、ひたすらリアルに撮り上げる中国人監督と、画面の美しさも追求する彼の作品が全く違っていることに驚き、一緒に映画を撮るようになりました。」
観客からは、デリケートな題材を扱ったこの作品の「主演女優出演の経緯」や「学校の協力」についての質問が挙がりました。
500人程の学生を見て雰囲気が合っていたことで中学2年生のヤオ・ホングイさんに決めたという監督。「実際彼女が2歳の時に、両親が出稼ぎで都心に行き離れて暮らしていたのが後から分かりました。彼女には何故この映画を撮るのか説明し、理解した上で撮影を受け入れてくれました。彼女自身寂しい生活を送っていて、撮影が合宿になったことで、時には喧嘩しながら本音で人と接したことが彼女にとってはいい経験になったようです」。
『卵と石』は第41回ロッテルダム国際映画祭のタイガー・アワードを受賞するなど高い評価を受けました。ホアン・ジー監督は農村女性三部作を撮る予定で脚本を準備中とのこと。こちらも続報が楽しみです。
- 開催日
- 3月17日(日)vol.1
『GF*BF』(特別招待作品部門)ファンミーティング - 3月17日(日)vol.2
トークセッション「アジアン・ミーティング2013」
インディ・フォーラム部門 CO2授賞式 - 3月17日(日)
クロージング・セレモニー - 3月16日(土)vol.1
- 3月16日(土)vol.2
- 3月16日(土)
トークセッション「台湾映画の現在(いま)を語る」
「インディペンデント映画とCO2の未来図」 - 3月15日(金)vol.1
- 3月15日(金)vol.2
- 3月15日(金)
特別シンポジウム「旅人が見る世界」
トークセッション「GTHの7年とちょい話」
交流イベント ウエルカム・パーティ - 3月14日(木)
Hong Kong Night - 3月13日(水)
- 3月12日(火)
- 3月11日(月)
- 3月10日(日)
- 3月9日(土)
- 3月8日(金)
オープニング・セレモニー - 3月4日(月)5日(火)
プレオープニング
特別上映『セデック・バレ 太陽旗』
試写会『だいじょうぶ3組』 - 3月3日(日)
おおさかシネマフェスティバル