- 日本初上映
コンペティション部門
空(くう)
Emptiness [VACIO]
監督:ポール・ベネガス
Director: Paul VENEGAS|2020年|エクアドル・ウルグアイ|92分
上映日 | 時 間 | 会 場 |
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3/6 土 | 16:45 | シネ・リーブル梅田4 |
3/11 木 | 16:00 | シネ・リーブル梅田4 |
- 出 演
- フー・ジン(付静)
マリオ・ジュー(朱李蛋)
ダニエル・モン(孟大民)
リカルド・ベラステグイ - 作品解説
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マニラと北京で金融の仕事に就いた後、南米エクアドルに帰郷して映画制作を始めたポール・ベネガス監督の長編第1作。国内の映画祭で最優秀長編映画賞を受賞した。密航船に乗って、深圳からエクアドルへ渡ってきたシャオ・レイ(フー・ジン)とウォン(マリオ・ジュー)。レイはニューヨークを最終目的地とし、ウォンは幼い息子を呼んで一緒に暮らすことを夢見ているが…。
港湾都市グアヤキルのチャイナタウンを舞台とする、キャストの大半が中国人、主な言語も北京語という異色スリラー。前半と後半をクライム物の緊迫感で盛り立て、中盤は時にコミカルな笑いを装いながらも、夢や欲望、望郷の念など移民する者たちに去来する感情を取り上げ、密航の元締めチャン(ダニエル・モン)に搾取されている移民コミュニティの実体を描いている。
スペイン系移民を演じたリカルド・ベラステグイ以外は皆これが映画初出演となるが、主役の3人にリアリティがあり、密航者たちの面倒を見る老人役のイン・バオドュウの存在感も素晴らしい。黙々と習字に励み、主人公たちを厳しくも優しく見守るその姿には、異国で生きながらもアイデンティティを失わない人間の真実味が滲み出ている。[赤塚成人]