インディ・フォーラム部門《第10回CO2ワークショップ作品》『映画列車〜1分映画を作ろう〜』が登場!上映前の舞台挨拶にはワークショップ参加者の1人、小学6年生の川崎功太郎くん、メイキング撮影・構成の板倉善之さん、富岡邦彦CO2事務局長が登壇しました。
- 富岡邦彦CO2事務局長
- 板倉善之さん
- 川崎功太郎くん
まずは富岡事務局長から概要の紹介。昨年までは子どもが監督として作品を撮るワークショップとして開催してきましたが、今年は大人と子どもが対象となりました。昨年2013年の夏から秋にかけて中崎町界隈、大阪歴史博物館、大阪城公園、天王寺公園などをロケ地として、参加者全員が監督として物語を考え、映画の父・リュミエール兄弟に習って1分間、ワンカット、固定カメラ、サイレントという条件の元で映画を撮影したものです。

板倉さんから「メイキングタイトルは『誰かと一緒に何かをやること』です。バラバラに集まった年齢も立場も違う人々が協力しないと作品が出来ない。そこをメイキングでは切り取りました」と紹介。
「上映の場が誰かと何かを共有する場になればいいなと思います。」Hollywoodというロゴの入った帽子を被って登場した功太郎くんは、1分間映画『ある保安官の出来事』(写真左)を監督。「このイベントで映画の監督をさせてもらってすごく嬉しかったし、楽しかったので、今度は音のある映画を作ってみたいと思います!」と堂々の監督宣言!
ワークショップでは参加の大人たちや富岡事務局長にも臆することなく演出をしたという功太郎くん。メイキングでは、ちゃんと大阪アジアン映画祭で上映されることを意識して作品を作っていたことも伺える発言も。これからご覧になる方はその辺もお見逃しなく!
上映後にプレスからの質問にもしっかりと答えていた功太郎くん。
大スクリーンで観た自分の作品の感想を尋ねると「テレビやDVDで見るのと違う。大きい画面で見るから迫力も違うし、もっとみんなに伝えることが出来たからよかったです!」といい笑顔を見せてくれました。大人になったらぜひ作品を持って大阪アジアン映画祭の舞台に戻って来て欲しいですね!
『映画列車』は、本日上映の特集企画《東日本大震災から3年〜「メモリアル3.11」》『あいときぼうのまち』出演の黒田耕平さん(右写真)も鑑賞してくださり、功太郎くんと「初監督作品がシネ・ヌーヴォで上映とは凄いね!」と会話を楽しんでいました。
台湾ですでに2億台湾ドル(7億円)の大ヒットを記録している『上から見る台湾』。上映前の挨拶ではチー・ポーリン監督と製作のエイミー・ツォンさんが登壇。
監督は、「この映画を通して自分たちが生きている国のことを知り、環境や地球について友好的であってほしい」、またツォンさんは、「製作費は9千万台湾ドルで、3年あまりの時間を費やし完成した作品です。台湾の大変美しい風景がたくさん出てきますので、是非台湾にお越しください」と作品を紹介しました。
- チー・ポーリン監督
- エイミー・ツォンさん
上映後のQ&Aでは、ホウ・シャオシェンプロデューサーの提案で最初の脚本を白紙にし、フィルムからナレーションを起こしたと、印象的なナレーションのメイキング秘話を披露。また緑色の田園風景に大きな足跡がいくつも連なる印象的な風景について、「このドキュメンタリーは99%事実だが、足跡だけは“前を向いて未来に進む”という意味で30人の地主にかけあって制作した」と1つの全長が60mもある足跡へのこだわりを明かしてくれました。映像と共に印象的な音楽については「世界で観られることを念頭に置いているので、原住民の声と世界的に有名な音楽家(『セデック・バレ』の音楽を手がけたピーター・フォー)を起用した」とのこと。
サイン会では「謝々台灣」のウェルカムボードを持ったファンと記念撮影するなど、作品同様大人気のチー監督でした。
今年国際審査委員を務める中国ヤン・リーナー監督の特別招待作品『春夢』が上映されました。

老人の生涯を描いた作品や孤児院の子どもを15年間撮り続けている作品(まだ未完)など、人をモチーフにした作品を撮り続けているドキュメンタリー作家であるヤン監督が初めて劇映画に挑戦した作品。ドキュメンタリータッチの映像が北京の富裕層の生活の中で虚無感にさいなまれ、いつの間にか幻か霊のような男と愛し合うことに溺れていく主人公の心情を艶やかに映し出しています。また、夫婦と子供一人のアラフォー夫婦という設定も、今の日本と共通する部分が多く、後半は一癖も二癖もある展開。
制作の動機は「最近中国の生活は非常に豊かになったが、生活者のほとんどはあまり楽しそうに見えないし、どう解決すればいいのかもわからない。私は女性監督なので、中国の女性が輝きを得られるようになれば。」と語られました。また、なぜ北京を舞台にしたのかという問いには「最初から検閲を通ることは予測していなかったので、どこで撮っても変わらない。これは中国の物語だから」ときっぱり。最後に客席にいたヤン監督の父親が紹介され、「父が初めて私の作品を観てくれた」と監督自身も感無量の表情を浮かべていらっしゃいました。