開催レポート 7日目
3月10日(木)vol.2 HONG KONG NIGHT
世代を超えた香港映画人の絆をみた 《HONG KONG NIGHT》
ようやく雨が上がり、肌寒いながらも快晴の一日となった日。
19時より特集企画《Special Focus on Hong Kong2016》のハイライトとなる《HONG KONG NIGHT》が開催されました。今年も香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部のご協力により、香港の今や思い出の日々を映し出す話題作を一挙上映しています。
大阪大学大学院言語文化研究科教授
古川裕氏
香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部
首席代表 サリー・ウォンさん
セレモニーの初めに、大阪映像文化振興事業実行委員、大阪大学大学院言語文化研究科教授の古川裕氏が感謝の意を述べ、開会の挨拶を行いました。
引き続き、香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部・首席代表のサリー・ウォンさんが、香港の文化において広東語映画が大変重要な要素であると前置きしながら「今年の《HONG KONG NIGHT》上映作品には、香港で制作した広東語映画『私たちが飛べる日』を選びました。若者たちが夢を追う姿を描いた物語をお楽しみください」と、にこやかにスピーチされました。
そしてお待ちかねの映画ゲストは、『荒らし』のファイヤー・リー監督、ポール・チェン プロデューサー、『レイジー・ヘイジー・クレイジー』にご出演のアシナ・クォックさん、コイ・マックさん、撮影監督のジャム・ヤウさん。
『レイジー・ヘイジー・クレイジー』
アシナ・クォックさん「大阪は初めて。お会いできてうれしい」
『レイジー・ヘイジー・クレイジー』
コイ・マックさん「来月も桜を見に来ようと思っている」
『レイジー・ヘイジー・クレイジー』
撮影監督ジャム・ヤウさん「岩井俊二監督の影響を受けているので、ぜひ見て」
《HONG KONG NIGHT》上映作品『私たちが飛べる日』からアダム・ウォン監督、ご出演のネオ・ヤウさん、テディ・ロビン プロデューサー、サヴィル・チャン プロデューサー。
『私たちが飛べる日』
アダム・ウォン監督「宮崎駿監督も大好き。『風立ちぬ』広東語版の主役の吹き替えは私」
『私たちが飛べる日』
ネオ・ヤウさん
『私たちが飛べる日』
サヴィル・チャン プロデューサー「今回でOAFFは3回目」
テディ・ロビン プロデューサー
『王家欣 ウォン・カーヤン』のベニー・ラウ監督、オムニバス映画『十年』のウォン・フェイパン監督、ジェヴォンズ・アウ監督、ン・ガーリョン監督、アンドリュー・チョイ プロデューサーの14名が登場。監督、俳優からプロデューサーまで香港映画人が勢ぞろいした姿に、会場から大きな拍手が沸き起こりました。
『王家欣 ウォン・カーヤン』
ベニー・ラウ監督「私が好きな時代の香港の話。悪人は出てこない。ご覧ください」
『十年』
ウォン・フェイパン監督
『十年』
ジェヴォンズ・アウ監督
特に一番大きい拍手が起こったのは、香港で知らない人はいないという名プロデューサー、俳優、歌手のテディ・ロビン氏が登壇したとき。会場からは「師父!」(『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』出演時の役)と方々から声がかかり、最後の記念写真では若い香港映画人に囲まれ、本当にいい笑顔を見せて下さったのが印象的でした。
若き才能に目を細める名プロデューサー 『私たちが飛べる日』
5分しかないと前置きがありながら始まった《HONG KONG NIGHT》上映作品『私たちが飛べる日』のQ&Aでは、再びアダム・ウォン監督、ご出演のネオ・ヤウさん、テディ・ロビン プロデューサー、サヴィル・チャン プロデューサーがご登壇。
香港映画にないタイプの作品を撮ることを指摘され、「最も撮りたい題材は、一番主流のものではない。香港映画がこういうことを言うべきと思う映画を撮っていきたい」とし、男子校出身なので自身の体験ではないが、出身中学で撮影したとエピソードを語りました。また今と昔の香港の違いを、香港人の皆さん自身はどう思うのかとの問いには、「私たちは昔の方がいいと思っても選べないので、今を生きていきたい。世界のために何か自分の力を出していきたい」と語り、会場からは大きな拍手がおくられました。
最後に、テディ・ロビン プロデューサーが、「アダムとサヴィルは若いのに才能があるクリエイター。特にアダムは若い主演の3人を発掘し、この映画をつくるにあたり力を出し切りとてもいい映画を作ってくれた。このような映画のプロデューサーができてうれしい」と締めくくりました。