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映画さながらの楽しき現場エピソードも飛び出した『ハッピーパッポー』

特集企画《Special Focus on Hong Kong 2019》の『ハッピーパッポ―』が上映されました。本作は大阪アジアン映画祭でもお馴染みのパン・ホーチョン監督最新作。上映後、出演のイザベル・チャンさんと撮影監督のジャム・ヤウさんが登壇されました。

ジャム・ヤウさん

イザベル・チャンさん

チャンさんは「この映画について話す前にパン・ホーチョン監督とどのようなやり取りがあったのかをお話します。私が初めて出たのが『些細な事』で11年経ちます。いたずら好きで現場を笑わせることが大好きという点は、今でも全然変わりません。映画撮影の待ち時間の時、非常に高い所に監督がいて『ここから飛び降りられるとおもう?飛び降りたら何をしてくれる?』と聞くので『料理のお任せコースをおごるよ』というと本当に飛び降りたりして」と早速エピソードを披露。

続けて「今回の上映中に皆さんがゲラゲラ笑っているのを見ましたが、撮影に参加している私自身もとても楽しかったです。また、この映画を観た人には、疎遠になってしまった友達と連絡を取り合って、そういう人たちと仲良くしてほしい。出会った縁を大切にしてほしいなと思います」と語られました。

旧正月映画ということで、スターが多く出演している本作。スケジュール調整が大変ではなかった?の声に「撮影自体は2週間。でも全然大変じゃなかったですよ。今回は小さいカメラを使いました。とても楽しい現場でぶっつけ本番が多かった。子どものシーンやおじいちゃんのお茶のシーンなどもリハーサルなしで撮った方が面白いということで。手持ちでも全然ぶれずに撮影できました」と撮影についてジャム・ヤウさんが説明されました。

終始、熱気に満たされ本作を楽しんだ様子の観客からは終わりにも大きな拍手がおくられました。

大混雑のサイン会も終わりに近づいたころ、『アサンディミッタ』のニルミニ・シゲラさんが....! ご一緒にパチリ。 そして、OAFF暉峻プロデューサーともパチリ。

スタッフ陣の登壇で様々な角度から“映画”がみえた『非分熟女』

コンペティション部門、特集企画《Special Focus on Hong Kong 2019》の『非分熟女』が上映され、ツァン・ツイシャン監督、プロデューサーのポリー・ヨンさん、撮影を担当されたジャム・ヤウさん、そして音楽を担当された茂野雅道さんが登壇されました。

『ビッグ・ブルー・レイク』(OAFF2012)以来の映画祭登場となるツァン監督は「またここでみなさんとお会いできたことを嬉しく思います。前回と違って今回は三級映画(日本でいう“18禁”)。感じ方も違ってくるかなと思います」と挨拶されました。また監督は「これは女性の成長ストーリー。解釈の余地を残したオープンな終わり方にしました。主人公は結婚に失敗してから、ある男性との恋愛に関わりつつ成長していきます。最後に二人がどうなったのかわからないけれど、そういう成長ストーリーとして作りました」と話されました。

ツァン・ツイシャン監督

ポリー・ヨンさん

その相手役は台湾の俳優で、この役のために広東語を学ばれたそう。「広東語と北京語をぐちゃぐちゃにしてしゃべるこの役は、地元の人でなくて良いと思って。主人公が実家に帰ると、よそから来た男がいる。そのよそ者が自分の生活や生き方を乱すけれど、自分というものを解放してくれる。さらに自分自身の成長により、自ら解放できるようになっていく、というストーリー。香港の観客にとっては、台湾の俳優は新鮮味がある。このロマンチックな設定で新鮮味があるといいかなと思い、このキャストにしました」と監督。

この作品との関わり方を問われた、ポリー・ヨンプロデューサーは「まず監督が、“結婚したのに処女”の物語という構想を持ってきました。それから一緒に脚本を書き、スポンサーを探し、それからクルーを探しました。ゼロの段階から作品の誕生まで、すべてを請け負ってきたのが私の役目でしょうか」と話されました。この日が海外初上映となった本作。香港でも一般公開は4月1日の予定だそう。

音楽を担当された茂野さんは「この中で僕だけが日本人。監督とは『ビッグ・ブルー・レイク』が初めてのコラボレーションです。『河の流れ 時の流れ』を挟んで、本作は3作目」とのこと。また「今回は難しくて。主人公の女性と前の男性との関係、そして新しい男性との関係、もう一つポールダンスを覚えて自立していく部分、と三つの心のストーリーがあります。それを組み合わせながら、全体に統一感のある音楽を作りたいと思っていました。今日作品を観てみて、それをうまく描けたかな」と話されました。

ジャム・ヤウさん

茂野雅道さん

撮影を担当されたジャムさんは、本映画祭で上映されている『ハッピーパッポ―』でも撮影をご担当。この二作の撮り方の違いを聞かれると、ジャムさんは「全然違います!」と上手な日本語で返され、会場には笑いが。『ハッピーパッポ―』は旧正月用の楽しい映画でしたが、こちらは家族の絆や心の変化を描いたもの。そして役者陣が自分のシーンがなくてもいつも現場にいるんですよ。だから、みんなで相談しながら、このシーンをこう撮りましょうという感じ。監督や俳優さんといろいろ話してつくりました。こういうのは香港では珍しいですね」と話されました。

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