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完売御礼!撮影合宿を行った和歌山に感謝も 『見栄を張る』世界お披露目上映

チケットが完売した《インディ・フォーラム部門》第12回CO2助成作品『見栄を張る』。上映後に舞台挨拶が行われ、藤村明世監督、出演の久保陽香さん真弓さん岡田篤哉くん時光陸さんが登壇されました。

劇中、幾度とでてきた“カップ麺やきそば”は、監督が一人暮らしでよく食べていたので、いろんな調味料をちょい足しでアレンジして楽しんでいたとのこと。主演の久保陽香さんは本作で試した「(チューブ)しょうがは焼きそばに意外にあう大人の味です!」といえば、それを一緒に食べた岡田篤哉くんは「ちょっとからかったです」とかわいい笑顔で答えてくれました。

藤村明世監督

久保陽香さん

2週間程度をかけ和歌山で行われた撮影を振り返り、時光陸さんは「和歌山のみなさんが温かくて、恩返しできるようがんばりたいと思います」と語られました。また、真弓さんは「クリスマスの日にお葬式のシーンを撮影し、複雑な思いでした」と話すと、岡田篤哉くんは「みんなと泊ってクリスマス、お正月が楽しかったです」とのこと。パーティでは地元の方からイチゴケーキの差し入れを頂いたそうです。

時光陸さん

岡田篤哉くん

真弓さん

久保さんは「合宿中、地元の方が食事の差し入れやイベントのおもてなしをしてくださり、食事に不自由しなくて、和歌山の方の協力のもとでこの作品ができました。感謝の気持ちでいっぱいです」と述べられました。

「負けたくない!という見栄っ張りな気持ちを、主人公エリコに投影した」という監督。「たくさんの方々にみていただきたいのでSNSで広めていただき、世界中、日本中のいろんなところで上映したい」と語られ世界初上映は終了しました。

つくり手のねばりこそがこの名作を生んだのだ!

ドキュメンタリー『マッド・タイガー』登場

アメリカで活動する日本人パンクバンド「ピーランダーZ」を追ったドキュメンタリー映画《インディ・フォーラム部門》『マッド・タイガー』が海外初上映となりました。

上映後登壇されたジョナサン・イー監督は「イエロー(バンドのリーダー)と仕事をともにすることを認めてもらうために、1年の見極め期間を要した」と語り、その後の制作過程を教えてくださいました。イエローのエモーショナルな部分に惹かれ彼にスポットを当てることしたものの、「ピーランダーZ」には、アイドルグループなみの言動や行動へのルールがあり、コスチュームを脱がし、生身の人間を映し出すまでに2年の時間を費やしたそう。例えば、作品の中でイエローが「ここは使うなよ」と言っていたシーンを使用していますが、そこに至るには更に撮影者とイエローとの映像使用についての激論を2時間、撮り続けていたともいう。完成までには、長い時間を費やし、関係性を築いていった監督からは興味深い話しを次々と語られました。

今後の彼らを追うことについて聞かれると「今のところは考えていないが10年先とかイエローの今後が気になるため、撮影したいと思う」との答えに会場も期待でざわめきました。また、イエローは今もパフォーマンス(ツアー)を続けているそうですが、今までと違う形でのパフォーマンスを行い、画家としての人生を改めて歩んでいる、とのこと。

関西出身のイエロー。会場にはご家族の姿があり「今回初めて映画を鑑賞しました。情熱を持って突き進んでいる、息子のそのままの姿を撮っていただけたと思う。ありがとうございました」と、お父様が挨拶されました。

パンクでファンキーで、荒々しくも人間味にあふれ、心わしづかみにされる本編に、会場も完全に飲み込まれた熱き上映となりました。

映画を愛する全ての観客と共にある台湾映画の歴史を綴ったドキュメンタリー

『あの頃、この時』

特集企画《台湾:電影ルネッサンス2016》『あの頃、この時』は、台湾映画界におけるアカデミー賞とも言える金馬奨が誕生してから50年の歴史を政治的、経済的な背景も盛り込んで綴ったドキュメンタリー。今まさに、2016年製作版が台湾の映画館で大ヒットロードショー中ということで、舞台挨拶で劇場を回っているヤン・リーチョウ監督に代わって、エグゼクティブ・プロデューサーで監督の奥様でもあるミシェル・チュウ(朱詩倩)さんが登壇しました。

本作では、台湾映画界を代表する名監督やスター、映画ファンのインタビューの他、各時代を代表する台湾映画の名場面がたくさん登場し作品を彩っています。数多くの作品の版権問題をクリアするのは並大抵のことではなく「188本の版権の契約書を交わし全部揃うのに1年かかりました」とミシェル・チュウさん。

このドキュメンタリーをつくった意図として「世代を越えて父と子が映画を通じて語り合ったり、若き時代に何を考え、どういったことがあったという映画ファンの視点も入れながら、単なる娯楽的要素の高い歴史だけでなく心の交流も描こうとしています」と語られました。

そして作品冒頭にあった映画館で最初に国歌が流れて観客が起立し、座って映画を観るという場面に触れ、「若い人は知らないから滑稽に見えるかもしれません。旧来は政治的なものがありましたが、それが50年間でどのように変化していったかも表したかったのであえて作品に取り入れました」と映画を取り巻く環境の変化について言葉を重ね、新たに台湾映画に対する思いを強くしたであろう観客から惜しみない拍手が贈られました。

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