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「これからは“アジア映画”の時代がやってくる」を体現

『ファイブ トゥ ナイン』

《インディ・フォーラム部門》『ファイブ トゥ ナイン』の上映後、宮崎大祐監督ヴィンセント・トゥ(杜海)監督が登壇されました。

「お招きいただきありがとうございます。お足元が悪い中お越しくださり嬉しく思います」とヴィンセント・トゥ監督がご挨拶。宮崎監督は「この第七藝術劇場は、自分がつくった映画が人生で初めて上映された劇場であり、とても思い入れがあります」と挨拶されました。

本作は4編からなるオムニバス作品。「男らしさを感じる」日本パート担当の宮崎監督は「“男らしさ”を出すことは映画を作る際、意識しています。照明の調節やアップシーンの時に霧を吹きかけたりして男らしさを演出することは意識しています」とのこと。

ヴィンセント・トゥ(杜海)監督

宮崎大祐監督

また、「より懐かしさを感じる」中国パートを担当したヴィンセント・トゥ監督は「懐かしくも見える都会の中の下町っぽい場所や景色。これが、中国の実際の状況なのです」とのお答え。また、「中国の労働賃金はどんどん高くなってきて、各国の企業がどんどん中国から東南アジアに移っています。中国の都市に住むのにかかる費用が高くなってきて、多くの人が地方に戻りだしています」との状況も説明されました。

アジアのインディペンデント作品について、宮崎監督は「製作費が下がる一方で、制作のための環境は良くなっていると思います。機材の質の向上や横のつながりが広がってきていることです。日本のみで映画をつくるのは大変ですが、各国の監督と協力しながら制作することにより、良い化学反応が生まれるのです。ですから、これからはアジア映画の時代がやってくると思っています。」

今後の展開が楽しみになるお話が聞けました。

「香港人は今、満足していないんだ」の想いが生んだ『荒らし』登場

特集企画《Special Focus on Hong Kong 2016》『荒らし』が日本初上映となり、ファイヤー・リー(火火)監督、プロデューサーのポール・チェンさんが上映後、「皆さん、こんばんは!」と日本語で挨拶されながら登壇されました。

ほぼ、コンビニエンス・ストア内で物語を展開していることについて「コンビニのような小さな世界、しかも24時間動いている、というのはまさに今の香港のよう。老人問題の表面化、役立たずの若者の増加に、警察も市民から見放されている傾向もあったり。それらをすべて爆破してやる、香港人は今、満足していないんだ!ということを表現したかったのです」とファイヤー・リー監督は語られ、この映画への想いが噴き出しました。

ポール・チェン プロデューサー

ファイヤー・リー(火火)監督

香港映画界には必要不可欠な名優ラム・シュー(林雪)さんへの起用について質問がでると、監督ご自身が好きな役者さんであることを明かし「面白い役、冷血な殺人鬼の役、ズルく意地の悪い役、この3点を1人で演じられる役者として今回お願いをしました」と期待の高さを表しました。また、監督を目指した理由を聞かれると「3歳の時も今も“香港映画”を観ればアンディ・ラウがいた。そんな香港映画を変えたいと思った。それから、映画が何かも分からない頃、とにかく格好いいと強烈な印象を残したのが『男たちの挽歌』。10歳の時、それを自分でつくるには監督にならなきゃいけない、とわかったのです」とお話しに。

最後は「皆さんと一緒に写真とっていいですか?OK?」と客席と共に撮影。「にっこりしてください!」と撮り直しまで。映画への情熱を会場中で感じる時間となりました。

サイン会に来た観客の方と握手。暉峻(てるおか)大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクターともガッチリ握手!(写真右)

10日に開催された《HONG KONG NIGHT》にて
観客席をバックにゲストのみなさんでセルフィー(自撮り)。
最後列から……

バンザーイ!
リー(火火)監督、バッチリ目立ってますよ〜

ジェス・チョン監督の中国語版「涙そうそう」に観客大感激!

『わたし、ニューヨーク育ち』

特集企画《ニューアクション!サウスイースト》『わたし、ニューヨーク育ち』ジェス・チョン(張爵西)監督とプロデューサーのスタンリー・ロー(羅德明)さんが上映後に登場。

スタンリー・ロー(羅德明)さん

ジェス・チョン(張爵西)監督

客席で観客と共に作品を観ていたというジェス・チョン監督は、中国語の映画で伝えたいことが日本の観客に伝わるか心配していたといいます。「字幕を見て笑ってくださっていたので、とてもほっとしました。ありがとうございます!」と監督は笑顔で挨拶されました。

会場から劇中で使われる「涙そうそう」について聞かれると「10年位前に映画『涙そうそう』を観てこの曲が好きになった」というジェス・チョン監督。「でも日本語では気持ちが伝えられないと思ったので中国語にカバーされたものを入れてみました。とても好きな歌です。私も歌いますよ」と歌手でもある監督は、観客の手拍子の中、中国語の「涙そうそう」のワンフレーズを披露!大きな拍手を浴びました。

この作品で望まぬ結婚をした娘との確執がある頑固な父親を演じた、往年のカンフー映画スターで香港ノワールの名作『男たちの挽歌』などで知られるティ・ロン(狄龍)さん。スタンリー・ローさんは、「監督がティ・ロンさんに会ったときに、これはティ・ロンさんしかないなと思い、出演をお願いしたところ快諾していただきました」と話し、「ティ・ロンさんのキャリアの中で最も台詞が多い映画では?」の声があがると、確かに本作の脚本を見てティ・ロンさん自身、台詞の多さに驚いたとのこと。その他、作品へのエピソードは尽きることなく、時間いっぱいまであたたかいお話は続きました。

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