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今年もあらゆるジャンルの作品が大阪に!香港映画人が集結した《HONG KONG NIGHT》

香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部、香港政府観光局の協力により、特集企画《Special Focus on Hong Kong 2019》のハイライトとなる《HONG KONG NIGHT》がとり行われました。

香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部 シェーリー・ヨン首席代表

セレモニーのはじめに、香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部シェーリー・ヨン首席代表が、「香港ナイトにお越しいただき心より感謝します。香港経済貿易代表部が大阪アジアン映画祭のパートナーとなり、8年目を迎える今年は、厳選した6本の香港映画を皆様にお届けします。今日上映するのは『みじめな人』です。我々は、香港映画を通じて、みなさんに香港の歴史や文化を知っていただきたいと思います。ウエストカオルーン文化地区に広東オペラのための戯曲センターがオープンしました。舞台公演以外にも広東オペラ上映も行われますので、ご興味の方はお見逃しなく」と、積み重ねた年月を感じさせるスピーチを披露されました。

そして今年のゲストの皆さんが登場。『みじめな人』オリヴァー・チャン監督、『非分熟女』ツァン・ツイシャン監督、プロデューサーのポリー・ヨンさん、音楽の茂野雅道さん、『G殺』リー・チョクバン監督、出演のアラン・ロクさん、『ハッピーパッポー』主演のイザベル·チャンさん、『非分熟女』でも 撮影を担当されたジャム・ヤウさん、『女は女である』メイジー・グーシー・シュン監督、プロデューサーのミミ・ウォンさん、出演のトモ・ケリーさん、ブベー・マクさんが登壇され、各作品の代表者からご挨拶をいただきました。

オリヴァー・チャン監督

『みじめな人』オリヴァー・チャン監督
「日本の文化や映画がとても好きなので、今回日本に来られたことはとても光栄です。この作品で、今まで思っていた印象と違う香港を見ていただければ、うれしいです」

ツァン・ツイシャン監督

リー・チョクバン監督

『非分熟女』ツァン・ツイシャン監督
『ビッグ・ブルー・レイク』(OAFF2012)に続き、2作品目の入選を果たしました。3年前は国際審査委員として来場しましたが、今度は審査される側ということで緊張しています。ジャムさんと茂野さんは『ビッグ・ブルー・レイク』に続き、2度目の参加で、非常に感謝しています。参加してくれた日本のクルーにも感謝します。皆さんが私の作品を好きになってくれればと思います」

『G殺』リー・チョクバン監督
「今回初めて大阪アジアン映画祭に参加し、嬉しく思います。Gから始まる単語をたくさん使うことで6人の違う人々をつなぐ作品です。色々なトラブル、価値観などを描いていますが、主役の女性が日本人に似ているそうなので、この作品と主役を好きになってくれればと思います」

イザベル·チャンさん(左は撮影のジャム・ヤウさん)

トモ・ケリーさん

『ハッピーパッポー』イザベル·チャンさん
「大阪の方はとてもやさしく、この雰囲気をとても楽しんでいます。『ハッピーパッポー』はコメディーなので、こういう芸術的な映画祭に出品されることはとても光栄です。99%香港の文化、セリフなので、香港文化を伝えるのにはとてもいい映画です」

『女は女である』トモ・ケリーさん
「この映画では主に2世代のトランスジェンダーのストーリーを描いています。世間に対する考え方や見方が香港と日本では違いますので、いつか香港でも日本でも上映できればいいと思います」

リサーチを重ねることで見えた人生の明暗を見事に映像化『みじめな人』

《HONG KONG NIGHT》上映作品『みじめな人』の上映後に、オリヴァ―・チャン監督が再び登壇されました。エンドクレジットが終わる前に大きな拍手が沸き起こった本作。主演のアンソニー・ウォンさんについて監督は「今まで、『八仙飯店之人肉饅頭』など変な役をやっていましたが、実際は善良でユーモアがあって、創造性がある方。新しい役柄をやっていただくのがいいと思いました」と話されました。

アンソニー・ウォンの相手役の家政婦役を演じたフィリピン人女優、クリセル・コンサンジさんについて「彼女は映画初出演です。11年前、フィリピンから香港にきた永久居民で、とあるテーマパークでお姫様役をやっていた後に、教育センターを立ち上げ子供の教育に携わっていました。フィリピンで名のある女優さんにお願いしようと思いましたが、資金的に無理だったので、Facebookで募集をしたところフィリピン人団体が協力を申し出てくれたのです。そこからクリセルさんの友達が勧めてくださり、最終的に本人が応募してくれました」とキャスティングについて話されました。

本作の脚本を書くにあたって、事前に2年ほどリサーチしたという監督は「ストーリーに関しては早い段階で決めており、映画全体のスタイルもきっちり決めていましたが、リサーチをしている間に色々な人に出会い、刺激をもらったので、自分が驚いたことを脚本に随時加えていきました。例えば主人公の足が痙攣を起こすのも、普段は足に感覚がないので動かないのに、1日に何度か痙攣し、すごく痛いというお話を聞いたので、映画に取り入れています」と具体的な例も話されました。

最後に、辛い現状を心温まるトーンで描いた本作のストーリー作りで気をつけたことについて「リサーチしている間に、人生の明るい部分、暗い部分を色々教えていただきました。いい雇い主もいれば、悪い雇い主もいます。社会的に弱い人も家庭がありますし、夢を持つべきだと思います。一般の人たちに体が不自由でも夢を持つ人の姿を見ていただき、ちゃんと尊重してもらえればと思います」と、監督は作品に込めた狙いを語られました。

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