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クロージング・セレモニーを開催!

いよいよ今年も最終日。ワールドプレミアとなるクロージング作品『PARKS パークス』(瀬田なつき監督)上映前に、クロージング・セレモニーが行われました。まず、10日間に渡って開催された大阪アジアン映画祭を振り返るハイライト映像が流され、オープニングからの感動の日々を振り返りました。

司会進行:ABCアナウンサー上田剛彦さん(右)

大阪映像文化振興事業実行委員会委員長 上倉庸敬

引き続き、大阪映像文化振興事業実行委員会委員長、上倉庸敬より、前日発表された受賞結果の報告と共に「閉会のご挨拶は感謝ばかりです。アジア各地からのゲストの皆さま、その親しみ深い笑顔が浮かびます。これから上映される瀬田なつき監督の『PARKS パークス』のように大阪アジアン映画祭へのご参加にも回を重ねられる監督が多数お見えになりました。この映画祭が、また大阪が多くの皆さまから愛されていることの表れであろうと感じております。この会場で作品を映写していたスクリーンが左右に大きく揺れ、何人ものお客様が会場を飛び出したのは、2011年3月11日でした。その時の恐怖や、その後世界のあらゆる場所からいただいた温かいお気持ちの記憶を私共の映画祭から消し去ることはできません。映画を通して、この大阪がその思いを通わせ続けることができますよう、来年の春に向けて、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました」と挨拶がありました。

観客賞はキーレン・パン監督の『29+1』(香港)へ

そして、いよいよ観客賞の発表。日本初上映作品を対象に観客の皆さんの支持を一番集めた観客賞は、キーレン・パン監督『29+1』(香港)へ!前日のグランプリ、ABC賞、来るべき才能賞に続いての香港勢の受賞に、会場からも祝福の拍手が送られました。

プレゼンターの薬師広幸さんから、副賞として薬師真珠様ご提供の真珠装飾品が授与されたパン監督は、「大阪アジアン映画祭、私の映画をわざわざ観に来てくださったみなさんに感謝申し上げます。元々舞台劇の出身ですが、そこでは理解していただくのに言語が障害になることがあります。今回、一番大切な作品を映画にし、時空と距離を越えてみなさんに観ていただけたことを嬉しく思います。映画界においてはまだまだ新人ですが、チャンスをいただけたことをうれしく思いますし、私にとって大きな励みになります。この作品をさらに違う国の人たちに観ていただきたい。日本で劇場公開され、また大阪の皆さんに観ていただけたらと思います。もう一度映画祭ならびにすべてのスタッフの皆さんに感謝申し上げます。今回いただいた真珠は特別な意味を持ちます。なぜなら、真珠は永遠に残るものだからです。ありがとうございました」と挨拶され、会場からも再び大きな拍手が沸き起こりました。

クロージング上映作品『PARKS パークス』で瀬田なつき監督が作品への思いを語る

4月22日からの全国順次公開に先駆け、大阪でワールドプレミアとなる『PARKS パークス』クロージング上映前には、瀬田なつき監督、松田広子プロデューサーによる舞台挨拶が行われました。

『彼方からの手紙』(OAFF2009)以来となる映画祭での登壇、そしてワールドプレミア上映ということで、やや緊張気味の瀬田なつき監督。吉祥寺にある井の頭公園が今年で100周年を迎えることを記念して制作された作品ですが、「公園は世界中どこにでもあり、皆さん必ず行ったことがあると思うので、色々思い出したり、劇場を出た後にふらっと公園にでかけたりしていただければ」と作品に込めた思いを語りました。

音楽を題材にするまでには様々なアイデアが飛び出したようで、松田広子プロデューサーは「もともとは何かミッションを成し遂げる若者たちの話にしよう、というところから始まりました。井の頭公園の池の中からレコードが出てくるアイデアや、上の世代を描くというところでオノ・ヨーコさんの名前が出たりするうちに、このアイデアが出てきました。瀬田なつき監督は音楽に強いというところから、このような作品になっていきました」とその経緯を披露。

さらに、劇中では様々な音楽が使われていることに触れた監督は「たくさんの音楽が使われていますが、一番メインになる音楽として60年代の音楽があり、それを現代にどう完成させるか。最後に少しミュージカルっぽいというか、驚きの展開があるので、音と映像を体感していただければうれしいです。そして、劇場を出た後に口ずさんで、スキップでもしていただければいいなと思っています」と見どころを語ってくださいました。

瀬田なつき監督

松田広子プロデューサー

橋本愛、永野芽郁、染谷将太と若手実力派俳優の出演も話題ですが、監督は「なるべく3人が自由に動ける演出を心がけ、表情もかっちりと決めずに自由さを映し出せればいいかなと思いました。演技をしているけれど、公園の近くに暮らしている人のように見せたかった」と軽やかな作風にするための瀬田流演出術にも触れました。

最後に、松田広子プロデューサーは「タイトルを『PARKS』と複数形にしているように、吉祥寺にある公園の話ですが、人によって色々な公園があることを感じていただけたらうれしい」と述べ、監督は「好きなシーンを一つでも見つけていただきたい。色々な捉え方ができる作品ですので、ぜひ観て、楽しんでいただければと思います」と挨拶し、クロージング上映に移りました。

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