開催レポート
 
3月2日(日)「おおさかシネマフェスティバル2014」大盛況です!

今年も前売りチケットが完売!!映画ファンのための映画のまつり、「おおさかシネマフェスティバル2014」が、大阪歴史博物館にて開催されました。

高橋聰同委員長のあいさつの後、吉田康弘監督の「脚本賞受賞記念」として『旅立ちの島唄~十五の春~』を上映。昼食休憩後、ハイライトとなる表彰式へ。(おおさかシネマフェスティバル2014・ベストテン結果)

今年も司会は浜村淳さん。浜村さんの名調子で会場も一気にヒートアップ。

まずは、同映画祭の創立メンバーでもある大森一樹監督の挨拶にてスタート。監督が『ゴジラvsビオランテ』を手がけることになったのは、本映画祭ゴジラ特集がきっかけだったとエピソードを披露。

続いて、次々と各賞が発表されていきました。(受賞者の皆さんの様子は下へ)

祭りの締めくくりは、赤木春恵さんの「主演女優賞受賞記念」として『ペコロスの母に会いに行く』を上映。映画にどっぷりつかれる1日は幕を下ろしました。

 

  • 主演女優賞:赤木春恵
    この日、一番大きな拍手に迎えられた赤木さん。「33年ぶりに映画のお仕事、また初めての主演のお仕事をいただき、89歳になって思わずこのような賞をいただき、感謝しています。台本をもらって中身を読まずに、まず監督がどなたかをお聞きし、ファンである森崎東監督と聞いて出させていただきました。温かく優しいスタッフに囲まれ、自分も自然体で楽しく演じられたことがうれしかったです。」
  • 主演男優賞:高良健吾
    (司会より昨年は出演作画9本あったことを告げられ)「自分でも覚えていないけれど、9本も出ているんですね。昨年演じた中では、『潔く柔く きよくやわく』で15歳の役をできたのが面白かったです。時代劇は反省だらけだったので、もう1回武士になりたいたいです。」
  • 助演女優賞:池脇千鶴
    デビュー作からの過去作品を振り返るのにも浜村淳節炸裂!受賞インタビューの間、池脇さんは頷くばかり(笑)。『大阪物語』のデビューから思えば、昨年は5本の映画にも出演され、日本映画になくてはならない存在になったことに、浜村さんの‘親戚のおじさん魂’が最高潮になったのでしょう。かわいい素顔、その存在感に、会場もメロメロに。次回作は、『そこのみにて光輝く』(OAFF2014クロージング作品)も楽しみです。
  • 助演女優賞:原田貴和子
    『ペコロス…』にて、赤木さん演じる‘みつえ‘の若き時代を演じられた原田さん。「昭和20年、長崎に原爆が落ちた時、私の母は12歳でした。この役を演じるにあたって、母が必死に生きて命をつないでくれた姿と、映画の中の母、みつえ の姿が重なり、役を演じながら深い縁を感じました。」
  • 助演男優賞:小林薫
    「ヨーロッパ旅行を延期して、お越しくださったんですね!」と浜村淳さんに紹介され、「周りが大げさ過ぎる」と照れ笑い。
    『旅立ちの島唄…』で脚本賞を受賞した吉田監督からは「小林薫さんにラブレターのように、シナリオをお渡しした。薫さんにふられたら、あきらめようかと思っていた。」と出演依頼秘話も明かされました。
  • 新人女優賞:咲世子
    「クラッシックバレーを習っていたので」と話されましたが、クラッシックだけでは収まらないショーガールの役どころを演じ輝かれていました。ファッションモデル出身だけあり、長身の振袖姿は舞台上でもひときわ鮮やか。4月~シネ・ヌーヴォにて『ソウル・フラワー・トレイン』大阪凱旋上映決定。
  • 新人男優賞:吉岡竜輝
    2000年生まれの13歳にして、芸歴8年。緊張しながらも、浜村淳さんの「お芝居は好き?」の質問に「好き」と即答。難しかったシーンについて、心情的にではないがと前置きをし、「投げるシーン。運動音痴だから当ててと言われたところに、なかなか当てられない。」と熟考の末答えた姿に会場は笑いに包まれました。
  • 監督賞:田中光敏
    北海道出身の田中監督は、モントリオール世界映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞したことを聞かれ「『利休にたずねよ』原作者の山本さんと一緒に現地で受賞の発表を聞けたことが、何よりのこの作品の思い出です。」と先ごろ亡くなられた山本兼一氏に想いを馳せられました。
  • 脚本賞:吉田康弘
    同志社大学工学部出身の吉田監督が映画の道に入ったきっかけは、「もともと小さい頃から物語を作るのが大好きで、男子校だったが、高校の文化祭で映画を作ったところ見に来た女子に大人気。映画を作るとモテると思った。」だとか。
  • 撮影賞:笠松則通
    阪本順治監督作品18本目となる『人類資金』では、マイナス20度のハバロフスク撮影で苦労したという笠松さん。
    サプライズで阪本監督(右)が登場され、「すごく早起きなので、昼過ぎにはカメラが下を向いています。半分本気で半分冗談ですが」とエピソードを披露した後、「あまり人の言う事を聞かない、素晴らしいカメラマン。またご一緒させてください」と『許されざる者』李相日監督からのメッセージを代読されました。
  • 音楽賞:GOMA
    大阪出身のディジュリドゥアーティスト、GOMAさんは、何度も司会者泣かせの「ディジュリドゥ」について浜村淳さんから質問されながらも、穏やかに楽器の由来や、ラクに吹くコツを語ってくださいました。受賞を心の底から喜ぶ様子が伝わってきました。
  • 新人監督賞:西尾孔志
    大阪出身の西尾監督は、「森﨑東監督作品が大好きで、ポップに若い感覚を取り入れ、人情劇を撮った」。「観終わったお客様から、東京の娘に会いに行った、お父さんに電話した、という声をいただき、とてもうれしかった。」と映画の反響を語ってくださいました。
  • 日本映画部門作品賞:『凶悪』(株式会社ハピネット・永田芳弘さん)
    「北関東の事件をモデルにしているが、どこでも起きうる、そういう世の中で生きていることをお客さんに認識していただきたかった。プロデューサーとして通常は売れることを考えるが、今回ばかりは陰惨で、人が死んでばかり……お客さんが来てもらえるか、周りから心配された。今回の受賞で大阪のお客様にも伝わっていたのだと思う。これからも志を高く持って映画を作りたい。」
  • 外国映画作品賞:『ゼロ・グラビティ』(ワーナー・ブラザース映画関西支社・杉本恵子さん)
    アルフォンス・キュアロン監督からのメッセージが代読されました。
    「『ゼロ・グラビティ』をおおさかシネマフェスティバルの外国映画部門作品賞に選んでいただき、ありがとうございます。この映画に関わったキャスト、スタッフを代表し、お礼を申し上げます。また主演女優賞にノミネートされたサンドラ・ブロックにも祝福を捧げます。サンドラは本作品の要であり、皆様が彼女の素晴らしい演技を評価してくださったことは大変素晴らしいことです。最後に監督賞という栄誉を与えてくださったことを心より感謝申し上げます。『ゼロ・グラビティ』製作は私、キャスト、スタッフにとって5年間の旅路でした。大阪での映画文化を広める皆様の活動と本作品をこれらの賞に認めてくださったことに、深く感謝いたします。ムチャス・グラシャス」アルフォンス・キュアロン監督 アカデミー賞監督賞受賞、おめでとうございます!