開催レポート
 
3月10日(月)4日目

 

クセになるアニメ『燃える仏像人間』 秘話が溢れだす

この日、シネ・ヌーヴォでは、初回に『燃える仏像人間』が上映。監督の宇治茶さん、プロデューサーの安齋レオさん、音楽担当のジャン=ポール高橋さんが挨拶に登場するという、当初予定になかった嬉しいサプライズで始まりました。

映画上映終了後、まだ映画の余韻が残っているなか、改めて宇治茶さん、安齋さん、ジャン=ポール高橋さんが登場。Q&Aでは本作ができるまでの秘話が次々と飛び出しました。

本作の「劇メーション」という手法。これは、切り絵をつかってつくりあげるアニメーション。映画で使用された切り絵はなんと500体以上あり主人公の女子高生・紅子だけで、100体はあったとのこと。「映画制作で苦労したところは?」と聞かれると、「劇メーションでは切り絵1枚1枚に書き込めるため、それに書き込んでいく作業が大変だった。またフチが撮影時に反射してしまうので、フチを切り取ったり、塗りつぶしたりするのも大変だった。」と宇治茶監督。

因みに、本作はプロデューサーの安齋さんが“萌え仏”フィギュアを制作し、映画を作りたいと思い、ちょうど3年前の3月11日、東日本大震災が起きた日に、監督にその思いを打ち明けたところからスタートしたことだとか。

  • 安齋レオさん
  • 宇治茶監督
  • ジャン=ポール高橋さん

また、本作の主題歌は、もっとしっとりしていて映画の雰囲気に合った音楽を使用する予定だったが、しっくりきすぎている(!)ということで、作詞・安齋レオ、作曲・ジャン=ポール高橋で、桜 稲垣早希さんが歌う「Moe-Butsu」になったそうです。ちなみに、Amazonでこの主題歌のCDが絶賛発売中とのことですので、興味のある方は是非聞いてみてください!

宇治茶監督は、劇メーションでの新作を準備中とのこと。どんな作品が誕生するのか楽しみです。

  • ロビーにて、サインに応じる監督。
    何と、携帯電話にまで!しかし、監督、指がおキレイです。

 

 

 

いまおかしんじ監督、あたためてきた企画、ついに世界初上映

今夜が世界初上映となるいまおかしんじ監督『つぐない』が梅田ブルグにて上映されました。

新宿ゴールデン街を舞台に歳を重ねた男女達の恋愛模様やそこで暮らす人々の日常を描いた本作品。上映前には監督と出演者の工藤翔子さん、速水今日子さん、伊藤猛さんによる舞台挨拶が行わました。また上映後には会場に来ていた脚本の佐藤稔さんも急遽加わりQ&Aが行われました。

上映後の感想を聞かれ、いまおか監督は「上手く言えないが不思議な感じがする。でも形になってよかったと思っている。ずいぶん前からこの映画をやろうとと思っていて、何年もシナリオを練っていたが、今回たまたま偶然が重なって映画を作ることになって、そしてブルグで世界初上映という形になってよかったと思う。」と述べました。

  • いまおかしんじ監督

脚本の佐藤さんは「役者のみなさんがすごく良かったので感動している。」
主演の工藤さんは「人を殺してしまったり、痴情のもつれがあったり、色々なことがあったんだけど、それでも生きていかなくてはいけないんだと思いながら、でもダメな部分も出ちゃって生きているような、日常にもありがちな思いを描けていたのではないかなと思った。」
速水さんは「この映画は普通の人がどうやって暮らしているかの縮図だと思った。」とそれぞれの思いを語りました。
また、伊藤さんは、「僕はこの作品にかけている。大阪から広めていただき、全国公開で大阪に戻ってきたい。みなさん、宣伝のほどどうぞよろしくお願いします!」と宣言。観客の皆さんは拍手でこたえました。

  • 脚本・佐藤稔さん
  • 工藤翔子さん
  • 速水今日子さん
  • 伊藤猛さん

この映画はゴールデン街で店を経営している速水さんが企画をしたそうです。2,30年後のゴールデン街はどうなっているのかはわからない。だから無くなってしまう前にこの場所に集まる人々たちの様子を皆さんにも見てほしいという気持ちがあったとのこと。映画の中に登場する人々はすべて本物の方々で、一人一人の個性溢れるキャラクターがとても印象的でした。そして店の反対側には再開発のための鉄製の白く高い壁が立ちはだかり、古い建物と新しい白い壁、新宿の高層ビルのコントラストがゴールデン街のはかなさをより一層際立たせているように思えました。監督をはじめこの映画に関わるすべての人々のゴールデン街への愛情が伝わってくる作品でした。