開催レポート
 
3月13日(木)7日目 vol.2 特集企画《台湾:電影ルネッサンス2014》TAIWAN NIGHT

台湾文化部、台北駐日経済文化代表処 台湾文化センターの協賛により開催された《台湾:電影ルネッサンス2014》。11本という大阪アジアン映画祭最多の作品数になる大特集となりました。
そのハイライトとして、《TAIWAN NIGHT》、ワールドプレミア作品『一分間だけ』上映が行われました。
豪華ゲストが集結。追加販売のチケットも完売となった満席の会場は熱気に包まれました。

《TAIWAN NIGHT》 台湾と日本をむすぶ映画人が一挙登壇

日台合作『一分間だけ』 スタッフ、キャストが語った制作秘話

 

台湾と日本をむすぶ映画人が一挙登壇

セレモニーの初めに、大阪アジアン映画祭の実行委員会を代表し、大阪大学大学院言語文化研究科教授の古川裕氏が感謝の意を述べると共に、「(映画祭)9回目は永久の“久(きゅう)”に通じる縁起が良い数字。10回目へと更に発展していきたい」とセレモニー開会の挨拶を行いました。
引き続き、台北駐日経済文化代表処 副代表 徐瑞湖氏が「台湾映画に良い作品があれば歴史、文化、社会、国のイメージアップにもつながる。私も日本のことが好きになって外交官になったので、皆さんも台湾のことを好きになって台湾に来ていただきたい」とご挨拶されました。

  • 古川裕氏
  • 徐瑞湖氏

そしてお待ちかねの映画ゲストの登壇には、熱い声援が飛び交いました。

登壇されたゲストたち。右から『上から見る台湾』のチー・ポーリン監督、プロデューサーのエイミー・ツォンさん、『戦酒』のピーター・タン監督、国際審査委員のトム・リン監督(OAFF2012『星空』)、『おばあちゃんの夢中恋人』の北村豊晴監督とシャオ・リーショウ監督。台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター所長の朱文清さん、台北駐大阪経済文化弁亊処処長の蔡明耀さん、台北駐日経済文化代表処 副代表の徐瑞湖さん、大阪大学教授の古川裕さん。続いてこの後ワールドプレミア上映される『一分間だけ』より、プロデューサーの吉田正大さん、同じくプロデューサーのガン・リーさん、チェン・フイリン監督、出演者のピーター・ホーさん、チャン・チュンニンさん、池端レイナさんと総勢16名。舞台上は台湾色満開に。

ゲストを代表して『上から見る台湾』のチー・ポーリン監督が自身の作品にも触れながら「大阪アジアン映画祭で台湾映画が上映されることは文化交流ができるすばらしいチャンス。『上から見る台湾』は台湾の色々な面が見えてくるし、日本も地理的に似ているので考えるところがあるのではないか。今みなさんがこの場にいらっしゃるということは『客席から見る台湾』ということになるだろう」とセレモニーを締めくくりました。

 

 

 

日台合作『一分間だけ』 スタッフ、キャストが語った制作秘話

引き続き、『一分間だけ』の舞台挨拶が行われました。

  • 吉田正大プロデューサー
  • ガン・リープロデューサー
  • チェン・フイリン監督

まずは吉田正大プロデューサーが「合作といっても同じ国で作っているよう。ガン・リーさんとは兄弟のような仲で、台湾最高の料理を食べさせてくれる」と挨拶。台湾の巨匠アン・リー監督の弟であるガン・リープロデューサーは「兄はトラの映画(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)を撮ったが、私はトラの映画は撮れないので、イヌの映画を撮った」と冗談で笑わせた後、「4年前台湾で出版された原作が良かった。それまで台湾ではペットを題材にした映画がなかったので、版権を取ろうとしたが難しく、吉田さんが話をうまく進めてくれた。3、4年かけて作った作品が上映され、うれしい。」と感激の面持ちでスピーチ。チェン・フイリン監督は「命や愛の大切さ、今この時間を大切にすることを知ることができた。」と述べられました。

  • ピーター・ホーさん
  • チャン・チュンニンさん
  • 池端レイナさん

大勢のファンの歓声を受け、主人公の彼役ピーター・ホーさんは、「この映画に出て、結論は同じであっても、人生を味わうことの面白さを学んだ」と話し、ヒロインを演じるチャン・チュンニンさんは、「前回ピーターと共演した作品で私は虐待されたが、今回ピーターはいい人役。逆に私はこの映画ではちょっと悪い役でピーターに復讐できた(笑)」と映画同様二人の息はピッタリ。日本人モデル役で出演した池端レイナさんは「最初は中国語が全然しゃべれず、監督ともコミュニケーションがとれなかったので勉強した。台湾のスタッフは毎回ご飯に誘ってくれ、ケアしてくれ感謝している。これから日本と台湾の合作が増え、文化交流が進めば」と、ピーター・ホーさんに促され、北京語と二か国語で挨拶。その見事な語学力に、会場からは拍手喝さいが沸き起こりました。

最後に、ガン・リープロデューサーから「今後日台の地域を超えて一緒に映画を作りたい。」と語り、感動のワールドプレミア上映が行われました。

上映の後半には場内からすすり泣きが漏れ聞こえ、エンドロールで大きな拍手に包まれた後、スタッフ、キャストが再登壇のサプライズ!代表してピーター・ホーさんが「子どもの頃、親父に『血は流しても涙は流すな』と言われたが、3回も泣いた。」と独特な言い回しで感動を表現しました。

本作は、台湾では5月9日より、日本では5月31日より劇場公開となります。

ピーター・ホーさんのファンの方が早くから来られてABCホール玄関にバルーンを設置♪
会場も上映前から熱気に包まれました。